■Q. 「お弁当に炊き立てごはんを入れてはいけない」って本当ですか?
Q. 「毎朝、子どものお弁当用にごはんを炊いて、炊き立てを詰めています。温かいごはんのほうがおいしいと思うのですが、『炊き立てごはんは、食中毒の原因になるからお弁当に入れてはいけない』と知り、心配になりました。
■A. 炊き立てごはんをそのまま入れるのは危険です。しっかり冷まして詰めましょう
夏場のお弁当作りは、食材の扱いに普段以上の注意が必要です。炊き立てごはんは確かにふっくらとしておいしそうですが、実は危険な食材の1つ。温かいままお弁当箱に詰めると、中に蒸気がこもりやすくなり、湿気による雑菌の繁殖を招きます。温かいごはんが、食中毒の原因になってしまうことは珍しくありません。
他のおかずにも当てはまることですが、お弁当箱に「あつあつの作り立て」を入れるのは禁物です。調理後すぐに詰めるのではなく、必ず十分に冷ましてから入れましょう。暑い季節ほど、冷ます工程を確実に丁寧に行うことが、お弁当の傷みを防ぐコツになります。
また、調理済みの食材にはなるべく素手で触れないことも大切です。おにぎりを握る際には、ラップや使い捨て手袋を使い、直接手で触れないよう工夫することが推奨されています。市販の抗菌シートを使ったり、保冷剤を添えたりするのもよいでしょう。暑い季節も、ポイントをおさえて、安全なお弁当を上手に作ってみてください。
▼平井 千里プロフィールメタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。