■Q. 「お弁当にサラダは危険」って本当ですか? 野菜を手軽にとりたいのですが……
Q. 「『お弁当にサラダはよくない』って本当ですか? 煮物や炒め物など、手間をかけたものを作る時間はないのですが、野菜不足が気になるので、お弁当箱の半分を生野菜サラダにしたり、ジャーサラダを作ったりしています。注意した方がいいポイントはありますか?」
■A. 「お弁当に生野菜」は食中毒リスクを伴います。
野菜は健康のためにぜひ積極的にとってもらいたい食材です。しかし、お弁当に生野菜を入れるときは衛生面での注意が必要です。ジャーサラダを作る場合も同じです。
生野菜をそのまま使う場合、加熱による殺菌ができていません。加えて、野菜にもともとついている水分や、野菜を洗った後に残った水分が、お弁当箱の中で雑菌が増える手助けをしてしまうことがあります。特にまだ暑い季節はお弁当箱の中で雑菌が繁殖しやすく、食中毒の原因になります。
生野菜による食中毒を防ぐために注意すべきポイントは、よく洗い、水気をしっかりと拭き取ってから使うことです。食中毒を引き起こす菌は、プチトマトのヘタや、葉物野菜のすき間などに潜んでいることもあるため、丁寧に洗うようにしてください。
また、野菜を小さくカットするほど、菌が繁殖しやすくなります。持ち運びが長時間になりそうな日は、できれば生野菜は避けた方がよいでしょう。プチトマトのヘタも取り除いた方が無難です。
また、生野菜を丁寧に洗って拭いても、お弁当箱やジャーが不衛生では意味がありません。
煮沸する際は、沸騰後5分以上加熱するなど、適切な温度と時間を守ることが大切です。容器のフタや溝の部分も雑菌が残りやすいので、しっかり洗浄・乾燥させてから使いましょう。
少し手間がかかると感じるかもしれませんが、暑い季節の食中毒対策は重要です。ポイントを押さえて、安全においしくお弁当を楽しんでください。
▼南 恵子プロフィール食と健康アドバイザー。学術誌編集部、広告制作会社などを経て、フードコーディネーター、エコ・クッキングナビゲーター、裏千家茶道準教授などの資格を取得。健康と社会に配慮した食生活の提案、商品企画、執筆、講演等を通じ、毎日の健康管理に欠かせない「食」に関してわかりやすく豊富な情報発信を行っている。