老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、夫が65歳になった場合の妻の社会保険についてです。

■Q:私は58歳の会社員です。私が65歳になったとき、妻が60歳未満なら社会保険の扶養から外れるのでしょうか?
「現在、私は58歳の会社員です。妻は55歳の専業主婦です。60歳で定年を迎えた後も再雇用で65歳まで働く予定ですが、私が65歳になった時点で、妻がまだ60歳未満の場合は社会保険の扶養から外れてしまうのでしょうか?」(定年が不安なサラリーマンさん)

■A:年金と健康保険では「扶養」の扱いが異なります。妻は60歳になると年金の扶養(第3号被保険者)を外れますが、健康保険は収入基準を満たしていれば65歳以降も扶養のままでいられます
社会保険には健康保険と厚生年金保険があり、それぞれで「扶養」の扱いが異なるので注意が必要です。

まず、厚生年金の扶養(第3号被保険者)についてです。妻が会社員の夫の年金の扶養(国民年金の第3号被保険者)になれるのは、20歳以上60歳未満の間に限られています。夫が厚生年金に加入していても、妻が60歳に達した時点で自動的に第3号被保険者の資格は終了します。つまり「夫が65歳になったら外れる」のではなく、「妻が60歳になった時点で外れる」のが正解です。

一方、健康保険の扶養は年齢ではなく収入で判断されます。


妻が60歳未満の場合:年収130万円未満であれば扶養のままでいられます。
妻が60歳以上の場合:年収180万円未満であれば扶養に入れます。

夫が65歳になっても会社員として健康保険に加入し続けていれば、妻がこれらの収入条件を満たしていれば扶養から外れる必要はありません。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
編集部おすすめ