■Q. 「更年期は膀胱炎になりやすい」って本当ですか?
Q. 「最近、トイレが近くなり、排尿時に少し違和感があります。『更年期になると膀胱炎になりやすくなる』と聞いたのですが、本当でしょうか? 今49歳です。
気を付けるべきことがあれば知りたいです」


■A. 更年期に膀胱炎になりやすいのは本当です。上手に予防とケアをしていきましょう
膀胱炎は、膀胱に細菌が入り込んで炎症を起こす病気です。特に女性に多く見られます。女性の体は男性と比較して尿道が短く、肛門に近く、細菌が膀胱に達しやすいつくりだからです。

さらに、体の冷えやトイレの我慢によって膀胱の血流が悪くなると、粘膜の防御力が低下し、細菌が繁殖しやすくなります。

これらの要因に加え、更年期は女性ホルモンの分泌が減少しがち。膀胱の粘膜が薄くなるため、膀胱炎にかかる女性が増えると考えられています。「更年期は膀胱炎になりやすい」というのは、残念ながら事実です。

排尿時の痛みや尿のにごり、頻尿などの症状がある場合は、早めに医療機関を受診して、適切に治療することが大切です。

すぐに始められる膀胱炎の予防法は、十分な水分補給と、おなかを冷やさないようにすること。また、日常的にトイレを我慢しないことも効果的です。ちょっとした工夫と早めに対処することで、症状の悪化を防ぎましょう。


▼山田 恵子プロフィール東京大学医学部卒業。整形外科専門医、日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医、認定産業医。東京大学医学部医療情報経済学客員研究員、ハーバード大学研究所客員研究員等を経て、現在、東京大学医学部附属病院整形外科。勤務医として診療にあたりながら、女性の健康をサポートする情報を幅広く発信している。
編集部おすすめ