玄関は「家の顔」であり、運気の入り口とも言われます。常にきれいに保ちたい場所ですが、実は良かれと思ってやっている掃除方法が、かえって玄関を傷めたり汚れを悪化させたりしていることがあります。


今回は玄関掃除の際に避けるべき6つのNG行動と、その理由をご紹介します。

■NG行動1:天気の悪い日や夕方以降に念入りな水掃除をする
水を使う念入りな掃除を、時間帯や天候を考えずに行うのは避けるべきです。

【理由】
・玄関タイルや目地に水を使った場合、十分な換気と乾燥が必要です。雨の日や湿度が高い日、風通しが悪くなる夕方以降に水掃除をすると、水気が長時間残り、カビや嫌なニオイの原因になります。

・濡れた玄関は非常に滑りやすく、特に夜間は視認性が低いため、家族や訪問者が滑って転倒するリスクが高まります。

【正しい掃除法】
玄関の水掃除は、湿度が低く風のある晴れた日の午前中に行い、太陽の光と風で一気に乾燥させるのが最も理想的です。

■NG行動2:靴箱(下駄箱)の掃除をしない
玄関を掃除する際、靴箱の中を掃除せずに、玄関タイルだけを拭いて終わらせるのはNGです。

【理由】
・靴箱の中は靴の汗や湿気がたまりやすく、ニオイの原因菌が繁殖しやすい環境です。扉を閉めたまま掃除をしても、根本的なニオイ対策にはなりません。

・密閉された空間で湿気がこもると、靴箱の内部や背面にカビが発生しやすくなります。カビの胞子は空気中に舞い、玄関全体の衛生状態を悪化させます。玄関の床だけを掃除しても、玄関全体で見るときれいになっていないのです。


【正しい掃除法】
玄関掃除をする際は、まず靴箱の掃除をしましょう。靴を全て出して風通しを良くし、固く絞った雑巾で拭き掃除をしてからしっかりと乾燥させます。その後、玄関タイルの掃除をしましょう。

■NG行動3:傘立ての掃除をしない
玄関に置いている傘立ての掃除をしないのはNGです。

【理由】
・傘立ての底にホコリや水がたまり、カビが発生していることもあります。

・傘立ての底に水がたまった状態で傘を置いておくと、先端からサビが発生することもあります。

【正しい掃除法】
傘は完全に水を切ってから傘立てに収納するようにしましょう。また、定期的に傘立ての底も掃除をする習慣をつけてください。傘立てのタイプによってやり方は異なりますが、濡らしてしっかり絞った雑巾で汚れを拭き取り、完全に乾かしてください。
「良かれと思って」が汚れを悪化させる!? 玄関掃除で「やってはいけないNG行動」6選
玄関に置いている傘箱の底が汚れている家も多い


■NG行動4:いきなり水で洗い流す
「玄関タイルが汚れているから、ホースで一気に水をかけて洗い流そう」と考える人は多いですが、これはNGです。

【理由】
・玄関には、靴の裏から持ち込まれた砂、土、ホコリなどの乾いた汚れが大量にたまっています。この乾いた汚れにいきなり水をかけると一瞬で泥状になり、タイルの目地や隅っこに入り込んで固着してしまいます。


・玄関タイルの中には、水が引くように設計されていないものや撥水性が低いものもあります。水浸しにすると、水がタイルにたまったり染み込んだりし、カビや藻の発生、靴箱への湿気流入の原因になります。

【正しい掃除法】
掃除の基本は、「乾いた汚れを先に除去する」こと。水をかける前に、ほうきや掃除機で砂やホコリを取り除くのが鉄則です。

■NG行動5:玄関床洗浄に「強力なアルカリ性洗剤」を使う
タイルや目地の頑固な黒ずみを落とそうと、強力なアルカリ性洗剤(油汚れ用など)を安易に使用するのは避けましょう。

【理由】
・玄関タイルには、酸やアルカリに弱い素材(天然石など)が使われていることもあります。性質の強い洗剤を使うと、タイルの表面を傷めたり変色させたりする可能性があります。

・アルカリ性の洗剤成分が目地に残った状態で乾燥すると、白っぽい粉状のシミ(白華現象/エフロレッセンス)が発生し、かえって見栄えが悪くなることがあります。

【正しい掃除法】
まずは自分の家の玄関の床の素材をしっかりと確認し、それに合った洗浄剤で掃除するようにしましょう。一般的な素材であれば、中性洗剤や弱酸性の洗剤を水で薄めて使うようにします。

タイルの主な汚れは土や排出ガスなどの中性的な汚れなので、基本は中性洗剤で十分です。目地の黒ずみ(カビや水あか)には、弱酸性の洗剤を少量使う方が効果的かつ安全です。


■NG行動6:濡れたモップや布で仕上げの拭き上げをする
砂やホコリを落とした後、仕上げに濡れた雑巾やモップで拭き上げるのは、一見きれいになりそうですが、これもNGです。

【理由】
・濡れた状態で仕上げると、玄関のタイルやたたきが湿った状態になります。この状態で乾くと、空気中のチリやホコリ、次に靴で持ち込まれる砂が、湿気によって表面に張り付きやすくなり、かえってすぐに汚れてしまいます。

・水分が残った状態で乾燥すると、水道水に含まれるミネラル分が水あかや白いシミとして残ってしまうことがあります。

【正しい掃除法】
掃除後は、必ず乾いたモップや乾拭き用のクロスで水分を完全に拭き取り、乾燥した状態にすることが、美しい仕上がりと汚れ防止につながります。

■ 正しい玄関掃除のステップ まとめ
玄関を美しく保つための正しい掃除の基本は、以下のシンプルなステップです。

・天気の良い午前中に
・靴箱の掃除と換気もする
・傘立ての掃除もする
・ほうきや掃除機で、砂、ホコリ、髪の毛などの乾いたゴミを徹底的に除去する
・汚れがひどい場合は、中性洗剤を薄めた液をブラシにつけ、タイルと目地をこすり洗いする
・少量の水で洗剤を洗い流し、乾いたモップや雑巾で水分を完全に拭き取る

今回ご紹介したようなNG行動を避けることで玄関を清潔に保ち、気持ち良く暮らせるようにしましょう。
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