時代とともに大晦日の過ごし方も変わってきてはいますが、昔ながらの言い伝えのなかには「大晦日のタブー」が存在します。代表的なもののなかから、「睡眠」に関するタブーを紹介します。


■Q. 大晦日に早く寝るのはタブーって本当ですか?
「大晦日に夜更かしせず早く寝てしまうと、縁起が悪いと聞きました。これは本当にタブーなのでしょうか? その理由についても知りたいです」

■A. 早く寝ると白髪やしわが増えるという言い伝えがあります
大晦日に早く寝ることは、昔からタブーの1つとされています。もしも、その禁を破ってしまうと、翌年には白髪になったり、しわが増えたりするという言い伝えが残っています。

この背景には、大晦日の夜は訪れる年神様に対し侍座(じざ)すべき時と考えられていた古来の信仰があります。年神様をお迎えするために、眠らずに夜を明かすのが習わしだったのです。

かつて、初詣といえば神社に「年籠り(としごもり)」をして夜を明かしていましたが、現代では元旦の未明に参詣する形に変わってきています。また、年越しには火を絶やさないという考え方もあり、今では神社の境内で火をたいて新年を迎える例も見られます。

「白髪やしわが増える」という言い伝えは、それだけ年神様を丁寧にお迎えすることが大切にされていた証と言えます。1年最後の日、少し夜更かしをして心静かに新しい神様を待ってみるのもよいかもしれません。
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