なお、伝統的なお正月の風習は、新年を司る年神様をお迎えするためのものです。正月飾りは、それにふさわしい清浄な場に飾るものとされているので、必ず大掃除を済ませてから飾ってください。
■「門松」の適切な飾り場所は?
門松は、年神様に迷わず来ていただくための目印・案内役です。
【○】正しい飾り場所
門松は門または玄関先(外側)の両脇に、一対で置くのが基本です。
マンションなどの集合住宅の場合、建物の門またはエントランスの外側の両脇に、マンションの管理組合や大家さんが設置するケースと、各戸のポーチや玄関ドアの外側の両脇に各家庭で設置するケースがあります。
ただし、ポーチや玄関ドアの外側は共用スペースのため、管理規約で設置可能か確認してください。外側に置けない場合には玄関の内側に飾って、神様は何でもお見通しだと考える方法もあります。
【×】避けるべき飾り場所
極端な例になりますが、玄関の真ん中のような年神様の通行を妨げる場所は不適切です。
■「しめ飾り・しめ縄」の適切な飾り場所は?
しめ飾り・しめ縄は、年神様をお迎えする神聖な場であることを示すもの。いわゆる結界の役割があります。
【○】適切な飾り場所
しめ飾りは玄関先(外側)に飾るのが基本です。
しめ縄は、神様をお祀りする神棚に取り付けます。また、竈(かまど)の火を司る荒神様を祀る意味で台所に飾るところもあります。
輪飾り(細いしめ縄を輪にしたものに垂れがついている小型のしめ飾り。輪締め)を、部屋、キッチンなどの水回り、門松と組み合わせて飾る場合もあります。
【×】避けるべき飾り場所
神道の飾りなので、仏壇に飾るのは不適切です。
■「鏡餅」の適切な飾り場所は?
鏡餅は、年神様が宿るところ・居場所になります。
【○】適切な飾り場所
メインの鏡餅は、床の間か神棚に飾ります。床の間や神棚がない場合には、家族が集まるリビングに。また、小さな鏡餅を台所や書斎、子ども部屋など、年神様に来ていただきたいところに飾ってもOK。たとえて言うなら、メインの鏡餅はお布団、小さな鏡餅は座布団のようなイメージです。
【×】避けるべき飾り場所
家の下座となる玄関、テレビの上のような騒々しい場所、足元など見下すような低い場所は不適切です。
■正月飾りをトイレに飾っていいの?
不浄とされるトイレには、しめ飾りや鏡餅を飾らないのが一般的ですが、家族の健康を支える場と考え、飾る家も少なくありません。トイレの神様(便所神、厠神などと呼ばれる神様)への信仰から、トイレ用の神棚がしつらえてある家もあります。
正月飾りには、家や地域によるしきたりの違いもあります。分からないことがあったら、世代が上の方々に聞いてみてください。









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