老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、独身のいとこが亡くなったが、家族の誰が遺族年金を受け取れるのかという質問です。

■Q:独身のいとこが亡くなりました。90歳の母親と72歳の未婚の姉がいますが、遺族年金は誰が受け取ることになるのでしょうか?
「先日、独身だった60代のいとこが亡くなりました。同居していたのは、90歳の母親と、結婚歴のない72歳の姉です。いとこは家計の中心で、年金を受け取り始めてからまだ2年ほどだったと思います。高齢の母よりも、未婚で収入の少ない姉が遺族年金を受け取ったほうがよいのでは、と感じていますが、実際には誰が受給対象になるのでしょうか?」(ムーミンさん)

■A:姉(きょうだい)は遺族年金を受け取れません。要件を満たしていれば、90歳の母親が受給対象になります
結論からお伝えすると、きょうだいは遺族年金の受給対象にはなりません。このケースで遺族年金を受け取れる可能性があるのは、90歳の母親になります。

遺族年金は、国民年金や厚生年金に加入していた人が亡くなったとき、生計を維持されていた遺族が受け取れる年金です。

遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があり、亡くなった方の加入制度によって内容が異なります。

遺族基礎年金を受け取れるのは、原則として……

・18歳到達年度の末日までの子(または20歳未満で一定の障害がある子)
・その子を養育している配偶者

に限られます。


ムーミンさんのいとこは独身で、お子さんもいないとのことですので、遺族基礎年金の受給対象者はいません。

いとこが会社員などで厚生年金に加入していた(または過去に加入していた)場合は、遺族厚生年金がもらえる可能性があります。

遺族厚生年金は、誰でも受け取れるわけではなく、受給順位が法律で定められています。原則として、配偶者や子が最優先で、次に父母、孫、祖父母と続きます。この順位の中に、きょうだいは含まれていません。

たとえ同居していて生活を支えてもらっていたとしても、姉が遺族厚生年金を受け取ることはできません。

今回のケースでは、要件を満たしていれば、90歳の母親が、遺族厚生年金の受給対象者になります。なお、亡くなったいとこが年金を受け取っていた期間が短くても、遺族年金を受け取れるかどうかには直接影響しません。

72歳の姉の生活が心配な場合、遺族年金とは別に、市区町村の福祉窓口や地域包括支援センターで相談することで、利用できる支援制度を整理してもらえます。

まずは年金事務所で遺族年金の受給可否を確認し、そのうえで自治体の福祉窓口にも相談してみるとよいでしょう。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。
日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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