老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、給与が増えて年金が支給停止になった場合についての質問です。

■Q:68歳で在職老齢年金を受け取っています。給与が増えて年金が支給停止になった場合、元の年金額に戻るのはいつですか?
「昭和32年生まれで、現在68歳です。在職老齢年金を受け取りながら働いていますが、時給が高く、年金と給与の合計が51万円を超える可能性があります。もし在職老齢年金で年金が支給停止になった場合、元の年金額に戻るのはどのようなタイミングでしょうか?」(ゆうさん)

■A:給与などと老齢厚生年金の合計が基準額を下回れば、翌月分から支給停止された年金は自動的に戻ります
結論からいうと、老齢厚生年金と給与などの合計が支給停止基準額を下回った場合、その翌月分から支給停止された年金は再び支給されます。特別な申請は不要です。

60歳以上の人が、老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金を含む)を受け取りながら厚生年金に加入して働いている場合、老齢厚生年金の報酬比例部分の月額と、総報酬月額相当額(毎月の給与など+直近1年間の賞与を12で割った額が目安)の合計で、老齢厚生年金の支給調整が行われます。

この合計が、支給停止基準額(令和7年度は51万円)を超えると、老齢厚生年金は一部または全額が支給停止になります。

在職老齢年金の支給停止は、月ごとの収入状況で判定されます。

そのため、給与が下がった、働く時間を減らした、賞与を含めた総報酬月額相当額が下がったなどの理由で、年金と給与の合計が基準額を下回れば、条件が変わった翌月分から、支給停止された年金は再び支給されます。「一度止まったらずっと戻らない」ということはありません。


なお、65歳以降も厚生年金に加入して働いている場合は、毎年の「在職定時改定」により、その期間の加入実績が将来の年金額に反映されます。

在職定時改定は、毎年9月1日時点で厚生年金に加入している65歳以上70歳未満の人が対象で、前年9月から当年8月までの加入期間をもとに、制度上は10月分の年金から年金額が見直されます。実際の振込は、10月・11月分をまとめた12月の振込から反映されます。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
編集部おすすめ