老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、借地権付きの一戸建てに住んでいるが、生活保護を受けられるか知りたいという質問です。

■Q:障害年金だけでは生活が苦しいです。借地権付きの戸建てでも生活保護は受けられますか?
「障害年金をもらっています。自宅は一戸建てです、借地権です。貯金は少しありますが、年金じゃ足りなくて食い込んでいってます。生活保護は受けられますか? 1943年生まれです」(せんちゃんさん)

■A:条件次第ですが、持ち家(借地権)や預貯金があると、生活保護は難しいケースがあります
せんちゃんさんは障害年金を受給中とのことですが、仮に障害等級2級の障害年金を受給しているとすると、2025年の年金額は、昭和31年4月1日以前生まれの人は82万9300円で、これに障害年金生活者支援給付金(年6万5400円)が上乗せされます。1943年生まれのせんちゃんさんの場合、合計すると年89万4700円となり、月額に換算すると約7万4500円です。

生活保護受給の条件は、「生活扶助1類(生活費)」+「生活扶助2類(光熱費など)」+「住宅扶助」+「その他」の合計額を最低生活費(=基準額)と定義し、その金額と収入の差額について支給されることになります。

基準額は地域によって異なりますが、せんちゃんさんが、仮に東京都にお住まいの場合、1級地となり、「生活扶助1類」が約3万8000円、「生活扶助2類」が約4万円、住宅扶助は持ち家なので0円で合計額は約7万8000円です。

単純に計算すると、基準額の約7万8000円から、障害年金の月額約7万4500円を差し引いた差額分が生活保護として受給できそうにも見えます。

しかし、生活保護を受ける条件の中に、「生活を維持するために、あらゆる能力や資産を活用する必要がある」という規定があり、不動産や車などは原則、売却を求められます。
また預貯金がある場合は、まずそちらの取り崩しが優先です。

ということで、現状、せんちゃんさんは生活保護を受けられる可能性は高くなさそうです。まずは、近所の福祉事務所で相談してみてください。

文:酒井 富士子(経済ジャーナリスト)
「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長歴任後、リクルートに転職し、定年あるじゃん、あるじゃん投資BOOK等の立ち上げ・編集に関わる。2006年にお金専門の制作プロダクション「回遊舎」を創業。「ポイ活」の専門家としても情報発信を行う。
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