老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、年金をもらいながらアルバイトをしている人の確定申告についての質問です。

■Q:年金をもらいながら、去年1年間、年収125万円ぐらいのアルバイトをしました。確定申告は必要ですか?
今回はAll About編集部が設定したケーススタディーに対して回答いただきます。

「年金を80万円もらいながら、去年1年間、年収125万円ぐらいのアルバイトをしました。確定申告は必要ですか?」

■A:年金収入が80万円、パート年収が125万円の場合、所得税はかかりませんので、原則として確定申告は必要ありません
このケースのように年金収入が80万円、パート年収が125万円の場合、所得税はかかりませんので、確定申告は必要ありません。

最初に所得税の計算方法を確認しておきましょう。

年金収入は『雑所得』として課税対象です。公的年金の雑所得を計算するときには、公的年金控除額を控除して計算します。公的年金等控除額は、65歳以上ですと110万円になります。

年金収入80万円としたケースで計算してみます。

年金収入:80万円
公的年金等控除額:110万円

年金収入80万円-公的年金等控除額110万円=▲30万円

今回のケースでは、年金収入は年間80万円ですので、雑所得は0円(80万円-110万円)となり所得税はかかりません。


パート収入は、『給与所得』として課税対象です。給与所得を計算するときは、給与収入から給与所得控除を差し引いて計算します。令和7年12月1日以降、65万円に引き上げられました(※)。

(※)令和7年12月1日から税制改正によって、給与所得控除以外に、基礎控除も改正されました。以下の変更が行われます。

基礎控除額:現行48万円→所得に応じ最大95万円へ引き上げ
給与所得控除額:現行55万円→65万円へ引き上げ

令和7年12月1日から給与所得控除が65万円に増えましたので……
今回のケースですと、給与所得=125万円-65万円=60万円

さらに、基礎控除額最大95万円を差し引くと、給与所得は0円となり、所得税はかかりません。

したがって、年金80万円、パート年収125万円の場合は、所得税を納める必要がありません。

<参考>令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について(国税庁)

ただしパート先で所得税が天引きされている人は、確定申告をすれば払い過ぎた税金が戻る可能性があります。その他、医療費控除の対象になる人も確定申告をすることで、税金が戻ります。

詳細については、お近くの税務署に確認してみましょう。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。
日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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