今回は、固定費の多さがなぜ老後破産につながるのか、その背景と対策を整理してみましょう。
■老後破産のリスクが高い生活を切り替えられない人とは?
老後破産のリスクが高い人に共通するのは、老後の収入水準に見合わない固定費を抱え続けていることです。
・完済予定が定年後も続く住宅ローンを見直さない
・広さや立地を前提に、高い家賃や維持費を払い続けている
・複数の動画配信や音楽サービスを惰性で契約している
・内容を把握しないまま、保険を継続している
・通信費や車の維持費を現役時代の感覚で払い続けている
中でも住居費は、家計に占める割合が大きく、見直しにくい支出。ここが老後の年金水準に合っていないと、家計の自由度は一気に失われます。
また、こうした人は住居費以外にも、不要なサブスクリプションサービス(定額サービス)や、内容を把握していない保険など、細かな固定費を「なんとなく」で払い続けている傾向もあります。
■固定費が多いと家計の「柔軟性」が失われる原因に!
固定費の割合が高い家計の問題は、変化に対応できなくなることです。現役時代であれば、固定費が多くても、残った収入で調整ができました。
しかし老後は、収入そのものが限られます。固定費が家計の大部分を占めてしまうと、医療費や住まいの修繕、冠婚葬祭などの突発的な支出に対応する余力がほとんど残りません。
「毎月なんとか回っている」という状態は、一見安定しているようで、実は非常に脆い家計です。動かせない支出が多いほど、1つの出来事で赤字に転落しやすくなります。
■安心を買うために「固定費の見直し」を
老後破産を遠ざけたいなら、収入を増やすことより先に、毎月出ていくお金を軽くしておくのが近道です。
見直しの候補は、例えばこんなところです。
・いまの暮らしに合う住まいか(広さ・立地・ローンや家賃)
・使っていないサブスクが惰性で残っていないか
・保険が「なんとなく」で続いていないか
・通信費や車の維持費が「現役仕様」のままになっていないか
特に影響が大きいのが住居費です。
「この家のままで老後もやっていけるかな?」と少しでも不安があるなら、元気なうちに住み替えを検討するのも選択肢の1つです。家をコンパクトにする、立地を変えるだけで、毎月の支出が軽くなることもあります。
老後の安心を得るには、「増やす」より「減らして守る」ほうが早いこともあります。固定費を軽くしておくと、医療費や修繕などの予想外の出費があっても、家計が崩れにくくなりますよ。
文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。
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