老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、「経過的加算」や「経過的職域加算額」は在職老齢年金に影響するかどうかについての質問です。

■Q:元公務員で年金を繰り下げ中です。在職老齢年金の減額計算で「経過的加算」や「経過的職域加算額」は報酬比例部分に含まれますか?
「現在66歳で、標準報酬月額32万円で働きながら年金を繰り下げ中の元公務員です。在職老齢年金について質問です。支給停止や減額の算定時に使われる『報酬比例部分』には、経過的加算部分や、経過的職域加算額(共済年金)は含まれるのでしょうか? よろしくお願いいたします」(昭和34年6月生まれ・男性・林道おたくさん)

■A:在職老齢年金の支給停止の計算で使う「基本月額」は原則として報酬比例部分が対象です。経過的加算や経過的職域加算額は含まれず、支給停止の対象外になります
林道おたくさんは、元公務員で共済年金の期間があり、現在は年金を繰り下げしながら働いているとのことですね。ご質問は、在職老齢年金の支給停止(減額)の計算に使われる「報酬比例部分」に、経過的加算や経過的職域加算額が含まれるのか、という点だと思います。

在職老齢年金制度は、老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金を含む)を受給しながら働いて給与収入がある場合に、給与(総報酬月額相当額)と年金の「基本月額」の合計が基準額を超えると、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止(減額)される仕組みです。

この「基本月額」とは、年金側では「加給年金額を除いた老齢厚生(退職共済)年金のうち、原則として報酬比例部分」を指します。したがって、経過的加算や経過的職域加算額は、基本月額には含まれず、在職老齢年金の支給停止(減額)の対象外と考えてよいでしょう。

ただし、元公務員の方に関係する経過的職域加算額(共済年金)は、年金の内訳上「職域加算の経過措置」として上乗せされる部分のため、決定通知書などの表示のされ方によっては、どこまでが報酬比例部分なのかが分かりにくいケースがあります。
誤解を避けるには、ねんきん定期便や年金決定通知書で、ご自身の年金の内訳(報酬比例部分/経過的加算/職域加算の経過措置など)を確認しておくのが安全です。

また、繰り下げ受給中であっても、在職老齢年金の仕組みにより支給停止となる年金は、繰り下げによる増額の対象にはなりません(支給停止された分が後から増えたり、まとめて支給されたりすることもありません)。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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