老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、妻が扶養から外れていても配偶者加給年金はもらえるかどうかについての質問です。

■Q:妻が扶養から外れていても、65歳から厚生年金を受給すると「配偶者加給年金」はもらえますか?
「配偶者の特別加給について教えてください。私は1964年1月生まれの男性です。妻は10年前から仕事をパートタイムからフルタイムに変えたため、私の扶養家族には含まれなくなりました。この場合でも、私が65歳から厚生年金を受給した際に、配偶者加給年金はもらえるのでしょうか?」(智奈央パパさん)

■A:扶養に入っていなくても、要件を満たせば配偶者の加給年金は受け取れます。ただし、配偶者側にも条件があり、状況によっては支給されない(または停止される)点に注意が必要です
配偶者加給年金(加給年金)は、厚生年金の加入期間が20年以上ある人が65歳になって老齢厚生年金を受け取るときに、一定の条件を満たす配偶者がいる場合に、老齢厚生年金に上乗せされる年金です。ポイントは、加給年金は「配偶者が扶養に入っているかどうか」で決まる制度ではない、ということです。

そのため、奥さまがフルタイム勤務になって扶養から外れていたとしても、それだけで加給年金が受けられなくなるわけではありません。加給年金で確認すべきなのは、「配偶者を生計維持しているか」「配偶者の収入が一定以下か」「配偶者が受け取る年金の状況はどうか」といった要件です。

まず「生計維持」については、同居している場合だけでなく、別居していても仕送りをしているなど実態として生活を支えていると認められる場合には、生計維持とみなされることがあります。

次に収入要件として、配偶者の前年の年収が850万円未満、または所得が655万5000円未満であることが必要とされています。
奥さまがフルタイム勤務で収入が多い場合は、この基準を超えていないかが確認ポイントになります。

さらに重要なのが、奥さまが将来受け取る年金との関係です。奥さまが厚生年金の加入期間が長く、老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金を含む)を受け取る権利がある場合など、一定の条件に当てはまると、加給年金が支給されない、または支給停止となるケースがあります。また、奥さまが障害年金を受けている間なども、支給停止となる場合があります。

まとめると、加給年金は「扶養に入っているかどうか」とは別制度なので、奥さまが扶養から外れていても受け取れる可能性はあります。ただし、配偶者側の要件(生計維持・収入・年金受給状況)を満たしているかどうかで結果が変わるため、ご自身の加入期間(20年以上あるか)とあわせて、ねんきん定期便や年金事務所などで確認しておくと安心です。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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