老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、妻の年収の方が自分より高くても配偶者加給年金はもらえるのかどうかについての質問です。

■Q:妻の年収の方が多くても、65歳から配偶者加給年金はもらえますか?
「昭和39年(1964年)8月生まれの男性です。妻は5歳年下です。私は65歳から年金をもらう予定なのですが、加給年金ももらえると聞きました。年収は妻の方が多いのですが、それでも加給年金はもらえるのでしょうか?」(tacさん)

■A:妻の方が年収が多くても、要件を満たせば加給年金は受け取れます。ポイントは「年収の大小」ではなく、配偶者が条件を満たしているかどうかです
配偶者加給年金(加給年金)は、厚生年金の加入期間が20年以上ある人が65歳になって老齢厚生年金を受け取るときに、一定の条件を満たす配偶者がいる場合、老齢厚生年金に上乗せされる年金です。ここで誤解されやすいのですが、加給年金は「妻の年収が夫より多いかどうか」で決まる制度ではありません。妻の年収が高くても、要件を満たせば加給年金の対象になる可能性があります。

一方で、加給年金の対象になる配偶者には条件があります。大切なのは、

①生計を維持していると認められるか
②配偶者の収入が基準を超えていないか
③配偶者が一定の年金を受け取る状況にないか

という点です。別居していても仕送りなどで生活を支えている場合は、生計維持とみなされることがあります。
また収入要件として、配偶者の前年の年収が850万円未満、または所得が655万5000円未満であることが必要です。

さらに注意したいのが、配偶者が厚生年金の被保険者期間が20年以上あり、老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金を含む)を受け取る権利があるときなど、状況によっては加給年金が支給停止になることがある点です。配偶者が障害年金を受けている間も、支給停止となる場合があります。

つまり、tacさんのケースでは「妻の方が年収が多い」こと自体は決定打ではなく、配偶者の前年の収入が基準を超えていないこと、そして配偶者の年金受給状況などの条件を満たしていることが確認ポイントになります。加給年金が付くかどうかは個別の加入記録や配偶者の状況で変わるため、ねんきん定期便や年金事務所で確認しておくと安心です。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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