それに「ハマる」ともちろん、金額的にも負担がかかる。家族としては心配するのもやむを得ないだろう。
■健康オタクに変身した夫
「45歳を過ぎて、夫が突然、健康オタクに変身したんですよ」
そう言うのはヒナコさん(44歳)。4歳年上の夫は、ある日突然、「フルマラソンに出たい」と言いだし、スポーツジムに通い、地域のランニングチームに入った。
「夫はお酒が好きで、休肝日さえ作らず飲み続けてきた人。健康診断にもちょいちょいひっかかっていたけど、まったく生活を改めようとしなかった。それがなぜか急にフルマラソンと言いだして……」
あとから聞いたら、どうも会社の後輩女性から「一緒にマラソンに出ましょう」と言われたことがきっかけだったらしい。ただ、その女性はほんの冗談だったようだが。
「それでも夫は筋トレやジョギングを熱心に続けていました。まあ、それは悪いことではないと思いつつ見ていたんですが、ジムなどで友人ができ、プロテインはどれがいいとかサプリも飲んだ方がいいとか、だんだん健康食品にハマっていったんです」
■20種類近くのサプリを飲むように
サプリは薬ではなく、あくまでも食品である。
「最初はプロテインとビタミン類だけだったんですが、だんだんよく分からないものも飲むようになって。一時期は20種類近く飲んでいたんじゃないでしょうか。飲み合わせとかあるんじゃないのと言っても、聞く耳をもたなかった。
そもそも私だって栄養のことは考えて食事を作っているのに、『食事でとれる量なんてたかが知れてる。やっぱりサプリが必要なんだよ』と。ボーナスの半分くらいをサプリまとめ買いにつぎこんだときは、さすがに私もキレました」
15歳と12歳の娘たちがいるのだ。習い事も学費もまだまだかかる。ヒナコさんも派遣社員として仕事をしているが、夫の収入に頼らざるを得ないところは大きい。
■家を買うつもりだったのに
ヒナコさん一家が住んでいるのは、築40年を超えた会社の借り上げマンションだ。
「夫は運動を始めて2年ほどでフルマラソンに出ました。今後も出場すると言っていましたが、マラソンに出るのもお金がかかるんですよね。近場なら参加費といくらかの交通費ですみますが、遠いところへ行けば交通費と宿泊代もかかる」
昨年末、ヒナコさんはとうとう夫のマラソンやサプリにかかった費用を出し、さらに家計簿や娘たちにかかる費用、今後の学費の見通しなどを全てまとめて見せた。さすがの夫も少し顔色を変えたそうだ。
「だってこのままでいけば完全に赤字になりますから。夫の小遣いは基本的には5万円だったんですが、このところ足りないからと言われることが増えていた。これ以上は無理と夫に訴えたら『分かった。地方のマラソンはやめるから』って。でもサプリはやめないみたいだし、どんどん高額のサプリが多くなっているような気がして」
タイムを縮めたい、もっと健康になりたい、筋肉をつけたい。夫は娘たちとの会話もそこそこに自分の体ばかりを気にするようになってしまった。
■「今しかできないことをしたい」という夫に
「娘たちにとっては本当にいいパパだったのに……。最初は夫のマラソン大会出場を喜んで観戦していた娘たちですが、もはや行きたいとも言わなくなりました」
今しかできないことをしたいんだよと、夫がヒナコさんに訴えたことがある。その気持ちは分かるけれど、私たちには子どもたちがいる、子どもたちに不自由な思いをさせても自分のしたいことを優先させたいのかとヒナコさんは説得した。そのときは「分かった」と言うのだが、結局、また新しいサプリに手を出し続けてきたのだ。
「サプリのこともちょっと一考してちょうだいと、つい先日もLINEを送りました。口で言うとどうしても互いに感情的になりがちなので。夫は分かったと返してきましたが、どうなることか。今年は私も正社員への道を模索しようと思っています」
いざとなったら夫を切るしかないのかもしれない。そんな覚悟が感じられる口ぶりだった。









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