老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、20代で年金の未払いがあった人からの質問です。

■Q:20代に国民年金の未払いが9カ月ありました。60歳以後も国民年金保険料を納めれば満額にできますか?
「20代で転職した際、9カ月間国民年金の未払いがありました。結婚前は会社員として働き、結婚後は夫の扶養となりました。今年の11月で60歳になりますが、5年前から夫の扶養を外れ、フリーランスとして働いています。

60歳以後も国民年金保険料を納め続けた場合は満額の年金を受け取ることはできますか? また、どのくらいの期間納め続ければよいのでしょうか?」(ゴエモンさん)

■A:未納期間がある人は、60歳以降に国民年金の「任意加入制度」を利用することで、老齢基礎年金を満額に近づけられます。目安は未納の9カ月分ですが、まずは年金記録で「本当に不足している月数」を確認することが大切です
国民年金保険料は原則として20歳から60歳になるまで納めます。この全期間にあたる480カ月(40年)を保険料の納付を満たすと、65歳から老齢基礎年金を満額で受け取れます。

未納期間があると、その分だけ将来の老齢基礎年金が少なくなってしまいます。

そこで、60歳になった後でも不足分を補いやすくする仕組みとして、国民年金には「任意加入制度」が設けられています。

これは、60歳以上65歳未満で、老齢基礎年金の加入期間が不足している人が、一定の条件を満たす場合に国民年金へ任意で加入して保険料を納め、将来の老齢基礎年金を満額に近づける制度です。


任意加入ができるのは、原則として厚生年金に加入していない人が対象になります。

ゴエモンさんの場合、未納が9カ月だけであれば、単純に言うと不足しているのはその9カ月分ですので、任意加入で9カ月分を納められれば、満額に近づけることができます。

ただし、ここで注意したいのは、相談文にある「未払い9カ月」が本当に唯一の不足分なのかは、年金記録を確認しないと断定できないことです。

というのも、会社員として厚生年金に加入していた期間は、国民年金としても加入期間にカウントされますし、結婚後に夫の扶養(国民年金の第3号被保険者)だった期間も、保険料を払っていなくても加入期間に含まれます。

つまり、ゴエモンさんが「思っている未納期間」と、実際に不足している月数が一致しているとは限りません。

そのため、最終的には「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で加入記録を確認し、不足月数が何カ月あるのかを把握した上で、任意加入を何カ月行えばよいかを判断するのが確実です。

必要に応じて年金事務所で確認すれば、任意加入の手続きも含めて案内してもらえます。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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