老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、65歳前に年金が振り込まれた人からの質問です。

■Q:64歳6カ月なのに「老齢厚生年金」が振り込まれました。65歳前なのに、なぜですか?
「64歳6カ月です。老齢厚生年金が振り込まれました。65歳になっていないのに、なぜ振り込まれたのか疑問です。理由を教えてください」(まるばーちゃん)

■A:65歳前に振り込まれる年金は、原則として「特別支給の老齢厚生年金」か「繰り上げ受給」のどちらかです。まずは自分がどちらに該当しているかを確認しましょう
老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)は、原則として65歳から受け取る仕組みです。それなのに65歳前に「老齢厚生年金」が振り込まれた場合、考えられる理由は大きく2つあります。1つは「特別支給の老齢厚生年金」を受け取っているケース、もう1つは老齢年金を「繰り上げ受給」しているケースです。

まず、特別支給の老齢厚生年金は、厚生年金の受給開始年齢が60歳から65歳へ段階的に引き上げられた際に設けられた経過措置です。一定の生年月日要件と加入条件を満たす人は、65歳になる前でも老齢厚生年金(主に報酬比例部分)を受け取れることがあります。


一定の生年月日の範囲に該当し、老齢基礎年金の受給資格期間(10年)があり、過去に厚生年金に一定期間以上加入していたことなどの条件を満たすと、年齢に応じて60代前半から受給が始まることがあります。まるばーちゃんさんが64歳6カ月で、厚生年金の加入期間がある場合は、この特別支給の老齢厚生年金に該当している可能性があります。

もう1つが、老齢厚生年金を繰り上げ受給の手続きをしているケースです。繰り上げ受給は、65歳より前に老齢年金を受け取る仕組みで、手続きをしていれば65歳前でも年金の振り込みが行われます。ただし、繰り上げ受給をすると、繰り上げた月数に応じて年金額が減額され、その減額は原則として一生続く点が特徴です。

ご自身がどちらで受け取っているかは、年金振込通知書(振り込みのたびに届くもの)や、年金証書(年金が決定したときに届くもの)、ねんきん定期便・ねんきんネットなどで確認できます。もし「繰り上げの手続きをした覚えがない」「特別支給に該当するか分からない」といった不明点があれば、年金事務所で確認すると安心です。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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