「毎月の支出を管理したいけれど、支払いがバラバラで実態がつかめない」「いつか見直しをと思っているけれど、重い腰が上がらない……」そんな悩みを抱えていませんか?

現金、カード決済、アプリ払い、口座引き落とし。支払い手段が多様化する現代では、支出の全体像を把握するだけでも一苦労です。
とはいえ、家計改善には、現状を正しく知ることは欠かせません。今回は、クレジットカードと銀行口座を活用して支出を「一目で把握できる」シンプルな方法をご紹介します。

■ 支出をクレジットカードにまとめるメリット
今までバラバラだった口座引き落としや現金の支払いをクレジットカードに集約すると、家計管理は驚くほど楽になります。

▼明細チェックで家計の振り返りが完了するクレジットカード払いにまとめることで、毎月の支出を一括で把握できるようになります。アプリやインターネットでカードの利用明細を確認すれば、食費・日用品・光熱費など、「何に」「いくら」使ったかが一目瞭然。

また、多くのクレジットカードでは、支払い日の約10日前に利用額が確定し、通知で知らせてくれます。この時点で引き落とし口座の残高を確認・調整すればよいため、支払日直前に慌てることもなくなります。

▼ポイントによる実質的な節約電気代や通信費など、毎月発生する固定費は意外と大きな金額になります。これらの支払いをクレジットカード払いに切り替えるだけでも、ポイントが自動的に蓄積されていきます。

たとえば還元率1%のクレジットカードを利用し、毎月10万円をカードで支払った場合、年間で1万2000円分のポイントが貯まります。これを使って日用品や家電の購入に充てれば、実質的な節約につながります。

▼支払い漏れを防ぎ、再振込の手間をなくす電気、水道、ガス代といった公共料金をはじめ、電話料金、インターネット接続料、さらには生命保険や自動車保険などをカード払いに集約すれば、うっかりによる「支払い漏れ」を確実に防ぐことができます。


銀行口座からの直接引き落としの場合、残高が1円でも足りなければ「引き落とし不能」となり、後日届く納付書を持ってコンビニや銀行へ振り込みに行くという手間が発生します。

その点、クレジットカードは「立て替え払い」の仕組みです。毎月の支払いはカード会社が支払ってくれるため、まとめておけば、カード引き落とし日の口座残高だけ管理すればいいのです。

■支払いをまとめても、支出が減るとは限らない
クレジットカードに支払いを集約すると、管理の手間が省けてポイントも貯まりやすくなります。しかし、一箇所にまとめたからといって、自動的に支出が減るわけではありません。

むしろ、現金と違ってお金が減る感覚が薄れるため、「今月は思ったより使いすぎてしまった……」と後悔する場合もあるはず。もし「もっと支出を抑えたい」と感じているなら、あえてクレジットカードを使い分け、引き落とし口座も分けて管理する方法を検討してみるのも一つの手です。

■ 「分ける」ことで使いすぎを防ぐ予算管理のテクニック
もしお手元に2枚のクレジットカードがあり、さらに、メインの銀行口座以外にも別口座があるなら、以下のような分担を試してみてはいかがでしょうか。

▼固定費と変動費を「カードごと」に分ける固定費に該当するのは、毎月発生する水道、電気料、ガスなどの公共料金、通信費、保険料などです。こちらは「給与振込口座」を引き落とし先に指定したクレジットカードを利用するといいでしょう。

一方、変動費とは、食費、日用品、交際費、美容代など、月によって金額が変わる「やりくり」が必要な支出です。この支払いを別のカードに振り分け、引き落とし口座も「メイン以外の別銀行口座」に設定して、サブ口座にします。


▼「予算内でやりくり」を仕組みにするこの方法のポイントは、給与が振り込まれたら、あらかじめ決めた「変動費予算分」だけをサブ口座へ移しておくことです。

サブ口座の残高がそのまま「使える上限額」になります。カードを使うたびに「残りの枠で足りるかな?」と自然に意識するようになるので、使いすぎに対する心理的なブレーキが働きやすくなります。

ただし、注意したいのが以下の点です。

・残高管理を徹底する
カードの引き落とし口座が複数になると、残高不足にならないよう気をつける必要があります。もし残高が足りなければ、遅延損害金が発生したり、信用情報に影響があったりするおそれも。
カード用に予算を決めても、最初からピタリと収まるとは限りません。はじめのうちは予算オーバーになることもあるかもしれないので、慣れるまではこまめに残高をチェックしながら調整していきましょう。

・口座間の資金移動にかかる手数料に注意する
他行への振込やATMでの移動ではコストが発生することがあります。無料条件(ネットバンキング利用など)を確認して、なるべく手数料ゼロで運用できるようにしましょう。

■自分に合った資金管理方法を選ぼう
家計管理に「これが正解」という絶対的な方法はありません。クレジットカードは、使い方次第で家計を助ける強い味方になりますが、そのためには「自分で使っている感覚」を持つことが大切です。


お金を管理するうえで欠かせないのは、「振り返り」というひと手間。毎月のお金の流れをチェックするのは面倒なことかもしれませんが、その習慣こそが、後々の家計管理をぐっと楽にしてくれます。いろいろ試しながら「無理なく続けられるやり方」を探していきましょう。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。
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