また、2024年の司法統計年報によると、家庭裁判所における婚姻関係事件のうち婚姻期間20年以上の夫婦間の事件が全体の26%を占めている。離婚事件については、妻からの申し立てが夫の倍近くになっている。妻側から離婚を申し出て、調停を経て裁判になるケースが増えているのだろう。
かつては、経済的な不安から「我慢しながら添い遂げるしかない」と思う女性が多かったが、今では「絶対に一緒の墓には入らない」「夫が死ぬのを待っていられない」と考える女性たちが増加しているのだ。
■結婚25年の夫と離婚が成立
「結婚して25年、ようやく離婚が成立しました」
満面の笑みを浮かべて、マユミさん(53歳)はそう言った。会社員の夫との間にもうけた二人の子どもたちも成人し、社会へと飛び出していった。
「出産後も仕事をしたかったけれど夫に反対されて、一時期は専業主婦に。子どもたちが大きくなったら、今度は『オレの小遣いが足りない。働いて』と言われてパートに出た。夫の小遣いが足りないのは、夫がたびたび浮気していたからということも知っている。でもその時点では離婚はできなかった。子どもたちには、望むような教育を受けさせてやりたかったんです」
その代わり、着々と離婚に向けて準備を進めていった。
上の子は大学へ、下の子は専門学校へと進学した。下の子が卒業して社会人となった昨年、ついにマユミさんは夫に離婚を申し出た。
■弁護士を立てて話し合うことに
「ところが夫は『絶対にしない』と。そのときのために友人の紹介で弁護士も頼んでいたので、早速弁護士を立てて話し合うことに。私はさっさと家を出て、新たに借りたアパートへ。一気に事を運んだので、夫はかなり驚いたようです」
妻子を飢えさせてはいなかったはずだ、子どもたちの学費も出したと夫は必死で言ったそうだが、妻への暴言については否定も肯定もしなかったという。
「グズだののろまだの、やっぱり育ちが悪いだの、若い頃から言いたい放題でしたよ。本人は冗談だとごまかすこともあったけど、イラッとくるとすぐに暴言を吐くのが定番でした。
調停を申し立て、それでもダメなら裁判になると覚悟していたが、半年ほどたったころ夫は突然、「離婚してやってもいい」と弁護士に伝えてきた。
■一刻も早く縁を切りたかった
財産分与などについても弁護士が全て話をまとめてくれた。長年、夫の暴言に傷つけられてきた精神的な賠償金はたいしたことはなかったが、それでも離婚できたことはマユミさんにとってありがたかった。
「裁判までいけばもう少しとれるかもということでしたが、もうこれ以上、夫と関わり合いたくなかった。子どもたちはもう大人ですから、父親とどう関わっていくかは彼らが考えればいいこと。私は一刻も早く縁を切りたかった」
夫のいないはずの時間帯に、弁護士立ち会いのもとで荷物を片づけに行ったことがある。子どもたちも立ち会ってくれた。
■捨てゼリフを残した夫
「すると夫が自宅に戻ってきたんです。行くことは伝えてあったけど、まさか顔を合わせるとは思っていなかった。夫はじっと見ていましたが、『じゃあ、これで』と私が言うと、『おまえなんかと結婚しなければよかったと思うよ。ろくな死に方しないだろうけどな』って。
さすがに弁護士がいさめましたし、子どもたちも『お父さんがそんなだから、こんなことになった』と責めましたが、夫は無言でドアを閉めました。最後くらい互いに感謝の言葉の1つも掛け合いたかったけど、そうはいかなかった」
言葉1つ掛け合わず顔を背ける。長年の夫婦関係が凝縮されたような光景だったという。そのとき、子どもたちにも嫌な思いをさせてきたとマユミさんは気づいた。
「ごめんねと子どもたちに言ったら、『これからはお母さんの人生を大事にして』と言われて涙が出ました。経済的な不安は尽きないけど、まだ頑張りはきく。今の段階で離婚できてよかったと思います」
熟年離婚が増加しているのは、子どもたちがある程度、大きくなっているからに他ならない。そして、妻たちのそれまでの我慢も限界を迎えるのだろう。熟年離婚は今後も増えていくはずだ。
<参考>
・「令和4年(2022) 人口動態統計月報年計(概数)の概況」(厚生労働省)
・「司法統計年報」(最高裁判所事務総局)









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