今回は、特別支給の老齢厚生年金が減額されたものの、退職予定があるという人からの質問です。
■Q:在職老齢年金で年金が減額されましたが退職予定です。老齢厚生年金を満額に戻すには申請が必要ですか?
「65歳になりました(1960年9月生まれ、男性)。2026年3月末まで勤務する予定です。特別支給の老齢厚生年金を受給していましたが、収入額(老齢厚生年金を含む)が51万円を超えたため、老齢厚生年金が減額支給となりました。
2026年4月からは勤務の予定がなく、給与所得は0円になります。2026年4月以降の老齢厚生年金については在職老齢年金の減額対象から外れると思うのですが、どのタイミングで、どのような申請をすれば、4月以降の老齢厚生年金が満額支給されるのでしょうか」(こんまさん)
■A:退職して在職老齢年金の要件から外れれば、原則として特別な申請は不要です。手続きは勤務先の届出で進み、年金は自動的に満額支給へ切り替わります
在職老齢年金は、60歳以降に厚生年金に加入して働きながら老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金を含む)を受給する場合に、賃金と年金額の合計が一定の基準額を超えると、老齢厚生年金が一部または全額支給停止(減額)となる仕組みです。
こんまさんは2026年3月末で退職し、4月以降は厚生年金の被保険者ではなくなり給与収入もなくなる予定とのことですので、退職後は在職老齢年金の対象から外れると考えられます。
その場合、原則として本人が「減額解除」などの申請をしなくても、老齢厚生年金は自動的に満額支給へ切り替わります。処理は勤務先が提出する資格喪失の届出をもとに進むため、本人があらためて手続きをする場面は多くありません。
ただし、退職したらすぐに満額になるわけではなく、年金は後払いで支給されるため、退職後しばらくしてから反映されるのが一般的です。目安としては、4月分・5月分がまとめて支給される6月の支給分から、満額に近い形で反映されるケースが多いでしょう。勤務先からの届出が遅れた場合などは、反映がずれ込むこともあります。
もし6月以降の支給額を見ても減額が続いている、あるいは切り替え時期がはっきりしない場合は、年金事務所に「退職日」と「現在の年金の支給状況」を伝えて確認すると安心です。その際、年金決定通知書や年金額改定通知書を手元に用意しておくと、相談がスムーズに進みます。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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