老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、支払いが多くて家計のやりくりに苦心する人からの質問です。

■Q:収入が月によって変わり、支払いが多くて生活費が残らず老後が不安。家計を立て直すには?
「給料が毎月違うため、支払いが多い月は生活費が残らず、やりくりが苦しい状態です。税金や社会保険料の負担も重く感じていて、将来の年金や老後も不安です。こういうとき、まず何から手をつければよいでしょうか?」(けんさん)

■A:最優先は「収入が少ない月でも赤字にならない家計の型」を作ることです。負担感が強いときほど、固定費の見直しと、減免・給付制度の確認が効いてきます
けんさんの悩みは、年金以前に「毎月の収支が安定しないこと」が不安の芯になっているように見えます。ですので、まずは家計を立て直して今の生活を守る仕組みを作るのが先決です。見通しが立つと、気持ちの負担も軽くなります。

最初にやっておきたいのは、過去の給与を振り返って「一番少ない月の手取り」を基準に生活費の枠を決めることです。収入が多い月に合わせて支出が膨らむと、少ない月に一気に赤字になります。逆に、少ない月の水準で回るようにできれば、家計は安定しやすくなります。


次に、支出を「毎月(毎年)必ず出ていくお金」と「月によって増減するお金」に分けます。ここで重要なのは、給料が入ったら残った分で生活するのではなく、先に「絶対に払うもの」を確保してから、残りでやりくりする順番に変えることです。

家賃、光熱費、通信費、最低限の食費などを先に押さえ、給与が多い月でも生活水準は上げず、余った分を「予備資金」として積み上げます。こうした予備資金ができてくると、収入が少ない月でも生活を崩さずに済み、精神的な余裕にもつながります。

固定費の見直しは、負担感が強いときほど効果が出やすいポイントです。特に、民間保険の保険料と通信費は、生活の満足度を大きく下げずに圧縮できることが多いです。

若い頃に入った保険は、家族構成や必要保障が変わっているのに、内容だけが昔のままになっているケースがあります。過剰な保障がないかを確認し、必要な保障に絞るだけでも支払いが軽くなることがあります。

携帯も、実際の利用状況に合わせてプランを見直したり、格安プランに切り替えたりすることで、毎月の固定費を下げやすい分野です。

そして、税金や社会保険料の負担が重いと感じる場合は、「制度で軽くできる余地がないか」を一度確認しておくのが現実的です。

例えば、住民税や国民健康保険料の減免、各種手当、医療費負担を軽くする制度など、条件を満たすと負担が下がるものがあります。働いていても収入が不安定だったり、家計が厳しかったりすると対象になることもあるため、自治体の窓口や相談窓口で確認する価値はあります。


家計がある程度落ち着いてきたら、次の段階として「老後に向けていくら足りないのか」を把握していきましょう。

年金は、受給額の見込みと、生活費の見込みが見えて初めて対策が立てられます。今の家計を安定させることが、将来不安(年金不安)を小さくする一番の近道です。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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