■Q. 「眠れずに死ぬことがある」って本当ですか?
Q. 「最近眠れない日が続いています。『眠れないと不眠症になって死ぬこともある』と聞き、不安でたまりません。
よくある不眠だと思っていましたが、本当にそこまで危険なことなのでしょうか?」

■A. 致死性の不眠症はありますがごくまれです。まずは不眠症の適切な治療・対策を
不眠は健康を害します。慢性的な睡眠不足が続くと、体調不良や生活の質の低下を招きますし、長期的にみれば命に関わる病気につながるケースも考えられます。しかし、短期的な睡眠不足や一時的な不眠症状であれば、十分に休息を取ったり、適切な治療を受けたりすることで改善することがほとんどです。直接的に不眠が命に関わるようなケースは、ほとんどありません。

しかし、不眠症の中には致死性が高いものもあります。それが「致死性家族性不眠症」という病気です。致死性家族性不眠症は、脳の一部が異常なタンパク質「プリオン」によって壊される遺伝性の病気で、眠りたくても眠れない状態が進行していきます。最終的に寝たきりになり、死に至ってしまう不眠症です。

発症は30代半ばから60代にかけてで、初期症状として不眠症状や性格の変化、自律神経の異常などが現れます。進行すると筋肉のけいれんや言語障害もみられ、平均して発症から18カ月ほどで死亡すると報告されています。

この病気は非常にまれで、日本国内での報告例はわずかです。
一時的な不眠の症状と混同し過度に不安に思われる必要はありません。もしご家族に同じ病気の方がいる場合は、専門機関での遺伝子検査が検討されますが、そうでない場合は睡眠専門外来や心療内科をまずは受診し、睡眠の質を改善していくことが大切です。

▼坪田 聡プロフィール日本を睡眠先進国にするため、正しい快眠習慣の普及に努める専門医。日本医師会、日本睡眠学会、日本コーチ協会所属。医師とビジネス・コーチという2つの仕事を活かし、医学・生理学と行動計画の両面から睡眠の質の向上に役立つ情報を発信している。
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