■Q. チョコレートを食べると、憂うつ感が軽くなるのはなぜ?
Q. 「少し憂うつな気分で落ち込んでいるとき、チョコレートを食べるといつも気持ちがすっと軽くなって、前向きになれる気がします。これは単に私が甘いもの好きだからでしょうか? チョコレートの成分に理由があるのでしょうか?」

■A. チョコレートに含まれる複数の成分が、気持ちに影響している可能性があります
チョコレートを食べて気分がよくなるのは、単なる味覚の満足感だけではありません。
チョコレートに含まれている複数の成分が、脳や神経に働きかけているためと考えられます。

まず、チョコレートの原料であるカカオには「テオブロミン」という成分が含まれています。これはカフェインに近い性質を持つ成分です。カフェインよりも緩やかに作用し、自律神経を調節してリラックスさせてくれる効果があります。また、脳内麻薬とも呼ばれる「エンドルフィン」の放出を促す作用があります。幸福感や多幸感をもたらし、憂うつな気分を和らげてくれる物質です。

さらに、チョコレートには精神を安定させる神経伝達物質「セロトニン」の合成を助ける働きもあります。セロトニンが不足すると、イライラや気分の落ち込みを招きやすくなります。チョコレートを摂取することでこれらが改善され、心が落ち着く作用があるのでしょう。

ただし、気分が晴れるからといって過剰に摂取すると、糖分や脂質の取り過ぎにつながります。急激に血糖値が上がることで、逆に気分が落ち込みやすくなるリスクもあるため、注意が必要です。高カカオのものを選んだり、少量をゆっくり味わったりすることで、上手にメンタルケアに取り入れてみてください。


▼中嶋 泰憲プロフィール千葉県内の精神病院に勤務する医師。慶応大学医学部卒業後、カリフォルニア大学バークレー校などに留学。留学中に自身も精神的な辛さを感じたことを機に、現代人の心の健康管理の重要性を感じ、精神病院の現場から、毎日の心の健康管理に役立つ情報発信を行っている。
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