配偶者加給年金は、厚生年金に原則20年以上加入している人が65歳になったときに、生計を維持している65歳未満の配偶者がいる場合に支給されるものです。

老齢厚生年金に上乗せされるため、「年金版の家族手当」として位置付けられています。


現在は、本体の額に「特別加算」を加えた金額として、年間41万5900円(2025年度価格)が、配偶者が65歳になるまで支給されています。

■2028年4月以降は約1割減額に
改正により、2028年4月以降に受給権が発生する方から、配偶者加給年金の額が約1割減額される予定です。

2025年度価格ベースの試算では、

現行:年41万5900円
改正後:年37万4200円(試算)

となり、年間で約5万円弱の減額になります。月当たりにすると数千円程度の差ですが、配偶者が年下で受給期間が長くなる世帯ほど、総受給額への影響は大きくなる点に注意が必要です。

■すでに受給している人は減額されない
「今もらっている加給年金が減るの?」と心配になるかもしれませんが、すでに配偶者加給年金を受給している人が、いきなり減額されることはありません。

2028年3月31日時点で受給権がある方は、現行の額が維持されます。

今回の減額は、あくまで「これから受給権が発生する世代」が対象です。

具体的には、1963年4月2日以降生まれで配偶者加給年金の受給権が発生する人から減額される仕組みです。

■なぜ「1割減額」になるのか?
配偶者加給年金の制度ができたのは1986年です。当時は「夫が働き、妻が専業主婦」という世帯モデルが主流でした。

しかし現在は共働き世帯が増え、夫婦ともに厚生年金に加入して働くケースが増加しています。

もちろん、現在も「扶養内パート」という選択をされている方は多いですが、短時間労働者の社会保険の適用拡大により、今後は「夫婦共に厚生年金」という形がさらに増加していくのでしょう。


こうした社会の変化に合わせ、年金制度のあり方も変わってきているのです。

文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)
銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。
編集部おすすめ