■Q. 痛風ですが、プリン体ゼロのビールなら飲んでも大丈夫でしょうか?
Q. 「痛風と診断されてしまったのですが、ビールが大好きでどうしてもやめられそうにありません。『プリン体ゼロのビールなら痛風でも安心』と聞いたのですが、プリン体ゼロのビールなら、毎日飲んでも尿酸値に影響はないでしょうか?」

■A. 「痛風なら飲酒を控える」のが基本です。
アルコール自体が尿酸値を上げます
まず最初にお伝えしたいのは、「痛風なら飲酒自体を控える」のが基本という点です。「プリン体ゼロのビール」と聞くと、何となく痛風の人でも飲めるイメージを持ってしまうかもしれません。しかし、残念ながらそれは誤りです。通常のビールに比べればプリン体の摂取量は抑えられますが、痛風を悪化させる問題はプリン体だけではないからです。

実は、「プリン体ゼロのビール」よりも、プリン体が入っていたとしても「ノンアルコールビール」の方がまだましと言えます。ご質問者の方のようにどうしても我慢ができないならば、正しい知識を持った上で、飲酒量をしっかりコントロールしていくしかありません。その理由を分かりやすくご説明しましょう。

実は含まれているプリン体の量にかかわらず、アルコールが体内で分解される過程で、尿酸の産生が促進されてしまうのです。さらに、アルコールには尿中への尿酸の排泄を妨げる作用もあるため、結果として血液中の尿酸値を上昇させてしまいます。これはビールの種類に関わりません。アルコール飲料全般に言えるリスクです。

また、お酒を飲むと食欲が増し、プリン体を多く含むおつまみを食べ過ぎてしまうことも少なくありません。
痛風の治療や予防においては、以下のポイントを意識しましょう。

・アルコールの摂取は「週に2日以上の休肝日」を設ける
・1日の飲酒量は、ビールであれば中瓶1本(500ml)程度にとどめる
・水分をしっかり取り、尿から尿酸を出しやすくする

「プリン体ゼロだから安心」という誤解は捨て、アルコール摂取量全体のバランスを考えることが大切です。

▼阿部 和穂プロフィール薬学博士・大学薬学部教授。東京大学薬学部卒業後、同大学院薬学系研究科修士課程修了。東京大学薬学部助手、米国ソーク研究所博士研究員等を経て、現在は武蔵野大学薬学部教授として教鞭をとる。専門である脳科学・医薬分野に関し、新聞・雑誌への寄稿、生涯学習講座や市民大学での講演などを通じ、幅広く情報発信を行っている。
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