2028年4月から、老齢厚生年金や障害厚生年金などに上乗せされる「子どもの加給年金(加算金)」の額が引き上げられます。特にこれまで加算額が低かった第3子以降が第1子・第2子と同額になり、大幅にアップとなります。


■子どもの加給年金とは?
加給年金は「配偶者だけ」が対象と思われがちですが、子どもに対する加算もあります。

▼老齢厚生年金の場合厚生年金の加入期間が原則20年以上ある人が、65歳到達時に生計を維持している子どもがいる場合、次の期間まで「子の加給年金」が支給されます。子が18歳到達後、最初の年度末(高校卒業相当)まで、障害等級1級・2級の場合は20歳までです。いわば、年金版の家族手当のような仕組みです。

▼障害年金・遺族年金の場合障害基礎年金(1級・2級)や遺族基礎年金の受給者にも、同様に18歳到達後最初の年度末まで(障害がある場合は20歳まで)の子どもがいれば「加算金」が支給されます。

■「子どもの加給年金」が増額に!
これまでは、第1子・第2子と第3子以降で加算額に差が設けられていました。

▼2028年3月分まで(2025年度価額)第1子・第2子:23万9300円(年額)
第3子以降:7万9800円(年額)
第3子以降は大きく減額されていたのが現状です。

▼2028年4月分以降子ども1人当たり:約28万円(年額)
※第1子・第2子・第3子以降全て同額

2028年4月以降は、子どもに対する加算金が約5万円引き上げられ、第3子以降はきょうだい間の差がなくなります。なお、2028年3月以前からすでに子どもの加給年金・加算金を受給している人も、引き続き対象であれば増額されます。

■子どもの「加給年金・加算金」支給要件の見直し
2028年4月以降に老齢厚生年金の受給権を取得する人については、支給要件も次のように見直されます。

①厚生年金の加入必要期間が240カ月(20年)→120カ月(10年)に引き下げ
②老齢・遺族・障害いずれも、基礎年金と厚生年金の両方で子どもの加算対象となる場合は、厚生年金を優先して調整
③夫婦双方に受給権がある場合、その子どもを主として生計維持している人のみ支給
④加給年金の対象となる子どもは、国内居住が必要

年金制度は時代の変化に合わせて見直されてきました。

1986年以降は「専業主婦世帯を守る」色合いが強い制度設計でしたが、近年は共働き世帯や子育て世帯を社会全体で支える方向へとシフトしているといえます。


晩婚・晩産化が進むなか、定年後も子どもがまだ学生という家庭も珍しくありません。子の加給年金・加算金の増額は、教育費の大きな助けになるでしょう。

文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)
銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。
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