「物価高に追いついていない」「実質は目減りだ」……そんな厳しい声も聞こえてきますが、実際のところ2026年度の年金をどう捉えるといいのでしょうか。
■2023年度は年79万円、2026年度は約84万円へ
2026年度の年金は、国民年金・厚生年金ともに引き上げとなる見込みです。その上で、ここ数年の増額幅を冷静に見ていただきたいです。
▼国民年金・厚生年金の推移※2026年度は見込み、年額の十円桁は四捨五入
国民年金(老齢基礎年金・満額)
・2023年度:年額 約79万5000円
(月額 6万6250円)
・2024年度:年額 約81万6000円
(月額 6万8000円)
・2025年度:年額 約83万1700円
(月額 6万9308円)
・2026年度:年額 約84万7300円
(月額 7万608円)
厚生年金(夫婦2人のモデル世帯※)
・2023年度:年額 約269万3800円
(月額 22万4482円)
・2024年度:年額 約276万5800円
(月額 23万483円)
・2025年度:年額 約279万3400円
(月額 23万2784円)
・2026年度:年額 約284万7300円
(月額 23万7279円)
※夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額
老齢基礎年金(満額)の数字でいうと、2023年度(令和5年度)は、年額79万5000円と70万円台でした。それが今回の2026年度(令和8年度)は約84万7300円(見込み)。3年前と比べて年額ベースでは約5万円増えている計算になります。
「物価はもっと上がっているよ」と言われるかもしれません。確かに、年金額は物価上昇分をそのまま100%反映する仕組みではありません。
「マクロ経済スライド」と呼ばれる調整がかかるため、数字の上では「実質目減り」と表現されることがあります。
ただし、ここで注目してほしいのは、公的年金は物価の動きに合わせて金額が変わる仕組みそのものを持っているという点です。これは、他の金融商品にはない私たちの生活を守る仕組みだといえるでしょう。
実際、デフレの影響が強かったコロナ禍の数年間について国民年金がどうだったか振り返ってみましょう。
▼コロナ禍の国民年金の推移※年額の十円桁は四捨五入
国民年金(老齢基礎年金・満額)
2020年度:年額 約78万1700円
(月額 6万5141円)
2021年度:年額 約78万900円
(月額 6万5075円)
2022年度:年額 約77万7800円
(月額 6万4816円)
この時期に年金額がわずかに減っていたのは、当時の物価や賃金の低下に合わせて、制度がルール通りに変動していたからです。
物価が下がれば年金も下げることで、現役世代の負担が重くなり過ぎないよう調整されていたということ。この事実は、制度への大きな信頼材料といえます。
下がる局面では減るけれど、上がる局面ではしっかり増える……このサイクルが回っていることは、制度が健全に機能している1つの証といえるでしょう。
もし公的年金が、民間の個人年金(確定年金)のように「一度決まったら増えない仕組み」だったとしたら、今の物価高では、生活が立ち行かなくなる人が続出していたかもしれません。
「3年で5万円増(厚生年金モデルなら15万円増)」という改定は、年金が物価の波をしっかり捉えて、私たちの生活を守ろうと動いている結果なのです。
■年金は、死ぬまで続く「終身の土台」
もう1つお伝えしたいのは、年金が死ぬまで終身でもらえるという点です。老後生活費がこの年金だけで足りるかどうかは、そもそも別の話。
だからこそ、その上乗せとしてNISAやiDeCoを使って準備していく、という発想が大切になります。いわば公的年金は、長生きリスクをカバーする“土台”のような存在といえるでしょう。
2026年度の改定を「わずかな増額」と見るか、「制度がしっかり守られている証」と見るか。その意識の差が、これからのマネープランの余裕につながります。
「老後が不安だ」と嘆く前に、まずは「ねんきん定期便」を開いて、自分自身の受給見込み額を確認することから始めてみませんか?
文:酒井 富士子(経済ジャーナリスト)
「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長歴任後、リクルートに転職し、定年あるじゃん、あるじゃん投資BOOK等の立ち上げ・編集に関わる。2006年にお金専門の制作プロダクション「回遊舎」を創業。「ポイ活」の専門家としても情報発信を行う。
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