老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、健康保険の扶養に入れる年収についての質問です。

■Q:64歳でパート勤務。65歳から年金も受け取ります。夫の健康保険の扶養のままでいるには、パート収入はいくらまでですか?
「現在64歳でパートをしています。65歳になります。夫は65歳で会社員です。私は保険会社の個人年金が年80万円ほどと、老齢厚生年金が月7万7000円くらいになる見込みです。パート収入はいくらまでなら、夫の健康保険の扶養から外れないのでしょうか?」(くまもんさん)

■A:60歳以上の健康保険の扶養判定は「年収180万円未満」が目安です。ここでいう年収には、パート収入だけでなく公的年金や個人年金も含まれるため、合計で考える必要があります
夫の健康保険の扶養に入っていれば、自分で健康保険料を負担せずにすむため、働き方を考えるうえで大きなポイントになります。

まず押さえておきたいのは、健康保険の扶養(被扶養者)の基準は、税金上の扶養とは別の仕組みだということです。

一般的に、60歳以上の場合は「年間収入180万円未満」であれば扶養に入れる目安とされています。
この「年間収入」には給与だけでなく、公的年金や企業年金、個人年金なども含まれます。

くまもんさんのケースで整理すると、
個人年金:年80万円
老齢厚生年金:年約92万4000円(月7万7000円×12カ月)

年金収入だけで合計すると約172万4000円になります。

扶養の目安である180万円まで残る枠は、
180万円-172万4000円=約7万6000円
となります。

単純計算では、扶養のままでいるためには、パート収入を年間約7万6000円に抑える必要があります。月額では6000円ほどです。

ただし実際の扶養判定では、「過去の収入」ではなく、認定時点での「今後の恒常的な収入見込み」で判断されます。

そのため、最終的には夫の加入している健康保険組合や協会けんぽに確認するのが確実です。扶養を外れると国民健康保険料の負担が発生するため、働く収入とのバランスを含めて早めに相談しておくと安心でしょう。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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