老後破産しないためには、金(ゴールド)投資とどのように向き合っていくとよいのか、元銀行員の筆者と共に考えてみましょう。

■金価格は社会情勢で変動する
金価格が高値を更新すると、「今からでも始めたい」と考える人が増えます。
金は限られた資源であり、世界中の投資家から注目されている資産でもあります。

しかし、金は社会情勢に大きく左右される資産です。テロや戦争、パンデミックなどの不安定な出来事が起こると、安全資産とされる金に資金が集まり、価格が上昇する傾向にあります。

一方で、社会情勢が安定し、金利が上昇したりインフレが落ち着いたりすると、金価格が調整局面に入ることもあります。

タイミング次第では大きな利益を得られる半面、大きな損失につながる可能性もあることを忘れてはいけません。

■「お金持ちの象徴」から身近な投資商品へ
銀行員時代、金を保有しているお客さまは貸金庫を利用し、現物を資産として持っているケースが多く見られました。「お金持ち=金を持っている」という印象も強かったように思います。

現在は、現物を持たずに金関連の金融商品で投資する人も増えています。盗難リスクを避けられるというメリットはありますが、購入時の手数料や為替相場の影響を受ける点には注意が必要です。

また、ドルコスト平均法による積立投資を行っている人もいます。積立は購入時期を分散できるため、価格変動の影響をならしやすい方法です。一方で、手数料や値動きの大きさは残るため、どのくらいの変動を許容できるかを意識しながら、余裕資金の範囲で続けることが大切です。


余裕がある場合は、積立を基本にしつつ、価格が大きく下がった局面で無理のない範囲で買い増しを検討するなど、自分なりのルールを決めておくのも一案です。

■金投資は「余裕資金」で
繰り返しになりますが、金は価格変動の大きい資産です。

「金が熱い」と資産を集中させてしまうと、価格が下落したときに大きな損失を抱えることになりかねません。

金はポートフォリオの一部として活用するには有効な資産ですが、老後資金の中心に据えるには価格変動リスクが大きいといえます。

金投資をしたい、楽しみたいのであれば、生活に影響のない余裕資金の範囲で行うことが大切です。

実際に、短期間で大きな損失を出してしまったというニュースも耳にします。限られた収入で暮らす老後においては、できるだけリスクを抑えた資産運用を心掛けることが、老後破産を回避する方法の1つといえるでしょう。

文:飯田 道子(ファイナンシャルプランナー)
金融機関勤務を経てFP(CFP、1級FP技能士)を取得。独立系FPとして、各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などを行っている。金運アップやポジティブお金など、カラーセラピーと数秘術を取り入れたアドバイスも得意。
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