個人向け国債のなかでも人気なのが、世の中の金利上昇に合わせて、受け取れる利子が増える「変動10年」です。

10年という名前を見ると、「10年間は引き出せないの?」「途中でやめたくなったらどうすればいいの?」と不安になる人も多いでしょう。


今回は、経済ジャーナリストでAll Aboutマネーガイドの酒井富士子さんに、個人向け国債「変動10年」について詳しく教えてもらいました。

■Q:個人向け国債の「変動10年」を買ったら、途中で解約できないのでしょうか
「個人向け国債の『変動10年』に興味があるけど、10年先までお金を動かせないと思うと不安。また、もっと金利のいいものが出たときに、買い直ししたくなったらどうすればいいのでしょうか」

■A:10年待つ必要はありません。1年たてばいつでも換金できますし、「変動10年」は金利がよくなれば、放置していても自動で好条件についていってくれるのが最大のメリットです
まず、一番多い誤解から解いておきましょう。個人向け国債(変動10年)は、購入から1年がたてば、いつでも換金できます。一般には「解約」といわれることもありますが、正式には「中途換金」といいます。

10年というのは、あくまで満期までの期間です。「あなたのお金を10年間ずっと動かせないですよ」という商品ではありません。

直近1年間に使う予定がないお金であれば、まずは預け入れてしまって大丈夫です。万が一、急にまとまったお金が必要になった場合でも、銀行預金を下ろすのに近い感覚で換金できます。

※換金時には、直近2回分の利子相当額が差し引かれる点だけは覚えておいてくださいね。だからといって元本割れすることはありません。


▼今よりもっといい金利になったら?「もっと金利がいい商品が出たら、解約して買い直したほうがいいのでは?」と迷う方もいますが、その必要はあまりありません。

この「変動10年」は、半年ごとに金利が見直されます。世の中の金利が上がれば、適用金利が上がって、受け取れる利子も上がっていくというとてもシンプルな仕組みです。

自分であれこれ動かなくても、持っているだけで金利上昇についてきてくれる……ここが、「変動10年」の大きな魅力です。

10年後の目的がはっきり決まっているなら、満期まで持てばいいですし、そうでなければ1年を過ぎた後の必要なタイミングで換金すればいいんです。

私は、使う目的を決めて、定期預金などと分けて置いておくという使い方をおすすめしています。そうしておくと、「これは使っていいお金」「これは将来のためのお金」と整理できますし、“あるだけ使ってしまう(笑)”ということも防ぎやすくなります。

個人向け国債を買うときに、「投資だ」と身構える必要はありません。銀行の定期預金と同じで、国にお金を預ける感覚でいいと思います。

「変動10年」は、金利上昇の恩恵を受けながら、いざというときの予備費としても使える、とても使い勝手のいい商品ですよ。

文:酒井 富士子(経済ジャーナリスト)
「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長歴任後、リクルートに転職し、定年あるじゃん、あるじゃん投資BOOK等の立ち上げ・編集に関わる。2006年にお金専門の制作プロダクション「回遊舎」を創業。
「ポイ活」の専門家としても情報発信を行う。
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