老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、年金を繰り下げる予定の人からの質問です。

■Q:1961年9月生まれ。年金は繰り下げ予定です。夫の扶養に入る場合、月いくらまで働けますか?
「1961年9月生まれです。来年度から夫の健康保険の扶養に入り、パートで働こうと考えています。老齢年金は繰り下げを予定していますが、個人年金が年約60万円支払われる予定です。扶養の収入基準である180万円以内にするには、月額いくらまで働けるのでしょうか?」(こなさん)

■A:年金を繰り下げ予定でも、扶養の収入基準は年間180万円未満が目安です
健康保険の扶養(被扶養者)になれるかどうかは、税金上の扶養とは別で、健康保険のルールに沿って判定されます。一般に60歳以上は、年間収入が180万円未満であることが目安とされますが、給与だけでなく公的年金、企業年金、個人年金なども「収入」として扱われる点に注意が必要です。

こなさんのケースでは、個人年金が年60万円とのことです。一方、老齢年金は繰り下げ予定で、現時点では受給を始めていないため、公的年金の収入は今のところ発生していない前提で考えます。すると、扶養の収入基準(年180万円未満)までの残りは、180万円-60万円=約120万円となります。


このため、扶養内で働く場合のパート収入は、年間で約120万円まで、月額にすると約10万円までが、180万円未満に収める1つの目安になります。

ただし、扶養の判定は「今後の年間収入見込み」で行われ、実際の運用は夫の加入している健康保険(協会けんぽ、健保組合など)によって異なります。月収の見方や個人年金の扱いも健保ごとに違う場合があるため、働き始める前に「個人年金が年60万円あること」と「パート収入の見込み額」を伝えたうえで確認しておくと安心です。

また、将来、老齢年金の繰り下げをやめて受給を始めた場合は、その年金額も収入に加わるため、扶養の判定が変わる点には注意が必要です。

なお、老齢年金を繰り下げ中で実際に受給していない場合の扱いも、加入している健康保険によって異なることがあるため、事前に確認しておくと安心です。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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