物価高による家計への影響が続いています。節約などでなんとかやりくりしていたとしても、無理のし過ぎは長続きしにくいもの。
物価高時代における家計管理はどのようなことを意識すればいいのでしょうか。

今回はAll About編集部が全国10~70代を対象に実施した「物価高で我慢していること」に関するアンケートからユーザーのリアルな生活実態を紹介しながら、家計管理のポイントについて、ファイナンシャルプランナーでAll About 家計簿・家計管理ガイドの二宮清子さんが解説します。

■「買う頻度を減らしました」
今回紹介するのは、愛知県に住む73歳男性の生活実態です。

【愛知県在住73歳男性世帯、1カ月の出費内訳】
・家族構成:既婚(子あり)
・雇用形態:正社員
・職業:サービス業
・世帯年収:400万円
・貯蓄:400万円
・家賃・住宅ローン:1万円
・間取り:一軒家
・食費:6万円
・交際費:5000円
・電気代:1万5000円
・ガス代:8000円
・水道代:1万3000円
・車の維持費:2万円

男性は、物価高によって、以前は当たり前に買っていたものの、買い控えるようになったものがあるといいます。

「買う頻度を減らしたのは総菜、弁当(おにぎり含む)です。理由は特に値上がりが著しいからです。ほかの商品でも、以前はスーパーで300~400円くらいで買えたのが、今は400~500円くらいになっている印象があります」

買わなくなった総菜や弁当は、自分で作るか「安いカップ麺」などで代用しているそう。家計のやりくりの苦労が垣間見えます。

■「新聞代」だけは削りたくない
また男性は、物価高の影響で頻度を減らしたり質を下げたりした「娯楽・趣味」があるそう。

「スポーツ観戦で、中でも特に球場での野球観戦です。入場料金が高くなっているので、行く回数を半分程度に減らしました」

ほかにも最近は、本当は食べたいのに、値段を見て泣く泣く棚に戻した切ない経験もあったそうで……。

「コンビニの高級おにぎりが、おいしそうなので買おうと思いましたが、想定外の値段だったので、結局買うのをやめました」

いろいろなことを我慢しなければいけない状況の中、男性は「新聞代」だけは削りたくないといいます。


「一応自分が信頼できそうな全国紙は、SNSが発達した現在でも貴重だと思っています」

■「優先順位」をつけることが重要
二宮:今回のエピソードからは、物価高の中でも生活を守ろうと工夫されている様子が伝わってきます。総菜や弁当の購入頻度を減らし、自炊や別の食品で代用するなど支出を見直している点は、堅実な家計管理と言えるでしょう。

一方で、新聞代は削らないという判断も印象的です。情報は生活の質を支える大切なものでもあります。お金を「どう使うか」は、「どう生きたいか」とつながっています。すべてを節約するのではなく、「自分にとって価値のあるものは残す」という考え方は、物価高の時代においてとても大切な視点だと思います。

▼物価高時代の家計管理のポイント物価高時代の家計管理では、すべての支出を一律に削るのではなく、「優先順位」をつけることが重要です。特に健康に関わる食費や、生活の楽しみにつながる適度な娯楽、情報収集のための費用などは、無理に削り過ぎると生活の満足度を下げてしまうことがあります。

一方で、外食や総菜の頻度を見直したり、自炊を増やしたりするなどの工夫は比較的取り組みやすい家計改善の方法です。

▼物価高時代を生き抜くために必要なこと物価高の時代を生き抜くために私たち消費者に求められるのは、「何にお金を使うか」を主体的に選ぶ力です。値上げが続く環境では、すべてをこれまで通りに維持することは難しくなります。だからこそ、自分にとって本当に大切なものを見極め、メリハリをつけてお金を使うことが、これからの家計管理にはますます重要になっていくのではないでしょうか。


【二宮清子プロフィール】
家計管理や節約を軸に、生活に寄り添った提案を行うファイナンシャルプランナー。家庭科の教師としての勤務経験があり、赤字家計を脱出した自分の体験から、ユーザー目線でのアイデアを発信している。All About 家計簿・家計管理ガイド。

<調査概要>
物価高で我慢していることに関するアンケート
調査方法:インターネットアンケート
調査期間:2026年2月5~6日
調査対象:全国10~70代の250人(男性:77人、女性:168人、回答しない:4人、その他:1人)

※回答者のコメントは原文のまま記載しています。
※本記事の出費内訳はアンケートの回答に基づいた「主な項目」のみを記載しています。回答に含まれない社会保険料や税金、民間の保険料、不定期な支出、使途不明金などは考慮されていないため、収支合計が一致しない場合があります。
※本記事で紹介している人物のプロフィールや数値などは、プライバシー保護のため編集部で一部改変している場合があります。
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