気分が晴れない日、誰にでもありますよね。何をやっても思うように進まない、ちょっとしたひと言に傷ついてしまう……。
感情の波は人間らしさの1つですが、沈んだときにどう過ごすかで、日々の充実度には大きな差が開きます。

今回は、営業職時代にお会いした、資産1億円を築いた経営者の女性から学んだ「不機嫌とのしなやかな付き合い方」をご紹介します。

■不機嫌はゼロにしない。けれど、長居はさせない
その方のご自宅を訪問した時のことです。玄関まで、何やら軽快でアップテンポなメロディーが漏れ聞こえてきました。

流れていたのは、ダリダの1979年のヒット曲『Laissez-moi danser(Monday, Tuesday…)』(邦題:マンデー・チューズデー)でした。

「ダリダですね?」と私が尋ねると、彼女はパッと明るい笑顔を見せて「この曲を聴くと、元気になるの!」と仰いました。彼女はバリバリと仕事をこなす現役の経営者。日々、予測不能なトラブルに追われ、時には深く落ち込むこともあると言います。そんなとき、彼女はこの曲を「スイッチ」にして、感情を切り替えてきたそうです。

今では、何か嫌なことが起きると頭の中でこのメロディーが「自動再生」されるようになり、一瞬で不機嫌を手放せるようになったのだと、楽しそうに話してくれました。

■感情をためすぎないことも、1つの自己管理
彼女はこうも話していました。


「仕事でミスした日や、気持ちが沈む日ってあるでしょう? そういうときほど、丁寧に気分を立て直すようにしているの。引きずると、自分にも周りにもいいことないから」

不機嫌のままで過ごすと、つい無意識に他人に刺々しくあたってしまったり、ストレスを埋めるために無駄な出費をしてしまったり……。そうした負の連鎖を防ぐためにも、自分なりの「切り替えの儀式」を持っておくということは、とても役立つ心掛けです。

感情を無理に抑え込むのではなく、早めに「逃がす」。これも、大人のセルフケアの1つといえるでしょう。

■実践したい、身近な「自分を整えるスイッチ」
彼女のように音楽を使う以外にも、自分を整えるきっかけは、日常の中にいくつもあります。

・香りで気分をリセット:お気に入りのハンドクリームやアロマをひと塗り。ふっと意識が切り替わります。

・一杯のお茶・コーヒーでひと息:お気に入りのカップを使って、ゆっくりお茶を淹れる時間が気分の切り替えに。

・体をほぐす5分:深呼吸しながら肩や背中を伸ばして、体の緊張をゆるめましょう。

・空を見上げて軽く外に出る:数分でも外に出て、空を見上げるだけで気持ちがラクになることがあります。

大切なのは、「なんだか今、気持ちが沈んでいるかも」と気付き、自分に合った方法で少し立て直してみること。


小さな習慣でも、気分が整うと、行動や選択にもよい影響が出てきます。

■「ごきげんスイッチ」は誰にでもつくれる
資産を築いた方々の姿勢から感じたのは、「感情に飲まれない人は、お金や時間の使い方にも無駄がない」ということでした。

全てをポジティブに乗り切る必要はありません。ただ、不機嫌を自覚し、それを長引かせないための「マイルール」を持つ。その姿勢が、人間関係をスムーズにし、判断のブレをなくし、結果として盤石な資産形成へとつながっていくのです。

まずは1つ、自分にとっての「気分を整えるスイッチ」を探してみましょう。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。
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