老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、在職老齢年金で支給停止になった年金についてです。

■Q:在職老齢年金で月3万4000円ほど年金カットされています。年の途中で退職したら、支給停止分は後から戻るのでしょうか?
「現在、65歳以上で働きながら老齢厚生年金を受給していますが、在職老齢年金の仕組みで月3万4000円ほど年金がカットされています。もし年の途中で退職した場合、年間収入で見れば年金カットの基準を大幅に下回ると思います。この場合、これまで止められていた分が後から返ってくる(追加支給される)ことはあるのでしょうか?」(寂しい在職老齢人さん)

■A:在職老齢年金の支給停止分は、後から精算して戻る仕組みではありません
在職老齢年金制度は、60歳以降に老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金を含む)を受給しながら厚生年金に加入して働く場合に適用される制度です。

老齢厚生年金の基本月額と、給与をもとに計算される総報酬月額相当額を合計し、その金額が支給停止基準額を超えると、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止となります。

支給停止基準額は、2025年度は51万円、2026年度からは65万円に引き上げられます。

在職老齢年金の判定は、あくまで月ごとに行われます。そのため、年の途中で退職した場合でも、退職前に支給停止となっていた月の分が、年間収入で見直されて戻ってくるという仕組みにはなっていません。

退職後、基本月額と総報酬月額相当額の合計が基準額以内になった月からは、本来の老齢厚生年金が支給されますが、過去に停止された分がさかのぼって支給されることはありません。

なお、基準額の引き上げにより、働き続けた場合でも今後は支給停止にならなくなる可能性があります。


監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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