定期預金には、預ける期間が1年、3年、5年などさまざまなタイプがあります。一般的に、期間が長いほど金利は高くなる傾向があるため、「長いほうが得なのでは?」と思うかもしれません。


もちろん、長く預けて放っておけるならそれも1つの手ですが、年金生活を送るシニア世代にとっては、慎重に選びたいところです。今回は、シニアの方々が、何年ものの定期預金を選ぶのがよいか考えてみましょう。

■シニアにおすすめしたい定期預金の預入期間
現在のシニア世代にとってバランスのよい選択は、預入期間が1年または3年の定期預金です。ここでは2つの理由を説明します。

1.金利上昇時に動きやすい
定期預金は、預け入れ時の金利が満期まで固定されます。そのため長期で預けると、途中で金利が上がっても、低い金利のまま動かせません。一方、1年などの短期であれば、満期ごとに状況を見て、より条件のよい預け先へ柔軟に乗り換えができます。

2.急な出費にも対応しやすい
年金生活では、日々の支出で現金が減りがちです。入院や家の修繕、家電の買い替えなど、急にまとまったお金が必要になる場面も少なくありません。

そんなとき、何年も先までお金を動かしにくい状態では、いざというときに困ってしまいます。なるべくなら、期間を短くして「すぐ使えるお金」を確保しておくことが、シニアの家計管理における安心材料になります。

■預入期間による金利差とメリット・デメリット
銀行によって条件は異なりますが、ここでは一例として、2026年2月時点のあおぞら銀行「BANK The 定期(BANK口座専用プラン)」(預入金額50万円以上)の金利をもとに、預入期間ごとのメリット・デメリットを見ていきましょう。


・1年もの(金利年0.9%・単利型)
3年ものや5年ものの定期預金に比べると金利は控えめ……利回り重視の方には物足りなく感じるかもしれません。一方で、1年ものは満期が早いため、金利がさらに上がった場合にもすぐ対応できます。

入院やリフォームなど、急なもしもの出費が心配な方にとっても安心といえるでしょう。

・3年もの(金利年1.1%・半年複利型)
3年ものの定期預金は、利回りと安心感のバランスが取れています。1年ものより金利は高く、かといって5年ほど長く資金を縛られることもありません。少し高い金利水準を活かしつつ、数年後の変化にも備えられる点が魅力です。

・5年もの(金利年1.3%・半年複利型)
5年ものは金利が最も高く魅力的に見えますが、預け入れ後は長期間金利が固定されます。その間に金利が上がっても乗り換えはできず、途中解約すると利息が大きく減る点には注意が必要です。

長く使う予定のない資金に限り、慎重に検討するとよいでしょう。

なお、現在は銀行間の競争も激しく、キャンペーンなどで1年ものの金利が、5年ものに匹敵するほど高くなることもあります。まずは1年もので様子を見て、金利の動きをチェックするのも賢い選択です。

■シニアのための「ずらし預け」のすすめ
どの期間を選ぶべきか迷ってしまうという方に、ぜひ知っておいていただきたいのが、資金を分けて預ける「ずらし預け」という方法です。


例えば、まとまったお金を3つに分けて、「1年もの」「3年もの」、場合によっては「5年もの」の定期預金にそれぞれ預けます。こうしておくと、毎年いずれかの預金が満期を迎えるため、その時点の金利状況を見ながら預け直すことができます。

もちろん、必要があれば満期資金を生活費や急な支出に充てることも可能です。

すぐに使えるお金を確保しつつ、無理なく利息も受け取る。このバランスの取れた運用は、将来への不安を抱えやすいシニア世代にとって、気持ちのゆとりにつながる選択肢といえるでしょう。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。
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