今年もまた花粉症で悩む人たちの声が聞こえる時期となった。症状は人それぞれ、重い人だと寝込むこともあるという。


■結婚後、いきなり発症した私
「昨年の夏に結婚したんですが、秋から急に体調がおかしくなりました。仕事に結婚式の準備にといろいろ忙しかったからかなと思っていたんですが、年末にはだいぶよくなった。ところが年明け、また不調に見舞われて……。もしかしたら花粉症? と病院へ行ったんです」

アヤノさん(39歳)は、鼻を押さえながらそう言った。案の定、診断は花粉症。昨年秋も、ブタクサなどに反応していたらしい。

「今年は本当にひどくて、目がかゆい、喉がかゆい。喉がかゆ過ぎて、無意識に舌の奥で喉をかこうとしているらしく、今度は舌が腫れて窒息する危険性もあると入院を勧められるほどでした。いろいろな薬を試して、このところ、ようやく落ち着いてきた感じです」

診断が出る前、夫は「風邪なんじゃないの」と疑い、寝室を別にした。「悪いけどうつされると仕事にならないから」と。それには納得したアヤノさんだが、花粉症と診断されたとき、夫が発した「なんだ、たいしたことないじゃん」という一言は許せないという。

■夫が夜中に突然友人を連れてきて
「花粉症というと、鼻がぐずぐずする程度と思い込んでいる夫には、私が目を取り外したいほどかゆかったり、思わずかき過ぎて網膜を傷つけてしまったりしたことが信じられないみたい。
大げさだなといつも笑うんですよ。人によって症状や重さも違うと言っても、『アヤノはいつも大げさだもん』とオオカミ少年みたいに言う。私が何か大げさに言ったことなんてないのに……」

彼女が網膜を傷つけて安静を言い渡されたときも、夫は突然、夜中に友人を連れてきて「簡単なものでいいから」とつまみを要求した。

「服薬していたので眠かったし、翌日も仕事だからもう寝るねと、つまみだけ用意して寝室に消えたら、夫は追いかけてきて、お酌くらいしろよなーって。もうすでに酔っていたので相手にせず、寝室の鍵をかけて寝ました」

それ以来、夫との間はギクシャクしたままだ。だが、アヤノさんから歩み寄る気はない。つらいときに分かってくれない夫とこのまま関係を続けていいのかとさえ思っているという。

■子どもが花粉症になって
「8歳の息子が花粉症になったと分かったのは去年の春でした」

コウスケさん(40歳)は、くしゃみや咳、目のかゆさに苦しむ息子を連れて病院へ行き、花粉症と診断された。薬を出されたが、なかなかよくならなかった。

子どもの花粉症は年々増加しており、「鼻アレルギーの全国疫学調査2019」によれば、5~9歳の3人に1人、10~19歳の2人に1人が花粉症にかかっていると推察されている。

「幼い子が苦しんでいるのを見るのはつらいですが、夏になるにつれてよくなっていったのでホッとしていました。今年も年明けから医者へ行って、目薬や内服薬をもらい、なるべく花粉を家の中に持ち込まないようにしようと妻と話し合っていたんです」

一進一退、すぐによくなるわけでもなく、息子が目をかくのをやめさせるのが大変だった。
そんなとき妻が「代替療法」にはまってしまう。

■民間療法に効果があるとは思えない
「ヨーグルトで腸内環境を整えると花粉症が軽減するらしい」「しそジュースが効くらしい」と、さまざまなものを買ってくるようになった。だが息子はもともと乳製品が苦手。そんな息子に無理矢理ヨーグルトを食べさせることにコウスケさんは反対した。

「あげく妻は『ビタミンDと食物繊維がいいらしい』と聞いて、青魚や海藻などを毎食、用意するようになりました。子どもは肉が好きなのに、肉はよくないと決めつけている。スナック菓子はいっさい禁止。たまにはいいじゃないかと言っても聞く耳をもたない。心配だから、直してやりたいからというのはよく分かるけど、民間療法を調べてみても、そんなに効果があるとは思えないんですよね」

理屈で考えよう、まずは医師に従って服薬や点眼薬、点鼻薬をちゃんとすること、食べ物はその上で栄養が偏らないよう気をつけようと言ってみたが、「あなたは心配じゃないの?」と逆に言われてしまう始末。

「このままだと怪しい薬とかに手を出しそうで怖いです。息子には、お母さんに何か強要されそうになったら、お父さんに聞いてからと言えと伝えています。ピークを越えたのか薬が効いているのか、このところだいぶ落ち着いているので妻も少しトーンダウンしてきました。
来年も同じことが続くのかと思うとうんざりしますけど」

苦笑はしていたが、コウスケさんもどこか疲れた表情だった。

<参考>
・「鼻アレルギーの全国疫学調査2019」(日本耳鼻咽喉科学会)
編集部おすすめ