公的年金の制度は複雑で、ご自身の状況に当てはめると「結局どうなるの?」と迷ってしまう方も少なくありません。例えば、どのような状態で障害年金を受給できるのか、その具体的な判断は特に分かりにくいものです。


今回は、障害者手帳をもっている人の障害年金について、All About編集部が設定したケーススタディーに専門家が分かりやすくお答えします。

■Q:障害者手帳をもっていても、障害年金を受け取れるとは限らない?
自治体から「障害者手帳」の交付を受けると、それとセットで「障害年金」も受け取れるようになる、というイメージをもつ方も多いかもしれません。手帳の等級が2級であれば、年金の等級も同じ2級として認められるのでしょうか。それとも、手帳とは別の仕組みがあるのでしょうか。

■A:障害者手帳をもっていても、必ずしも障害年金を受給できるとは限りません
障害者手帳の等級と、障害年金の等級はそれぞれの制度に基づいた審査があり、障害者手帳をもっていても必ずしも障害年金を受給できるとは限りません。逆に、障害者手帳がなくても要件を満たしていれば障害年金を受給できる可能性があります。

障害者手帳は「自治体」が交付する福祉制度で、障害年金は「国」が管轄する年金制度です。

根拠となる法律や認定基準が異なるため、手帳の等級と年金の等級は連動しません。「手帳が2級だから年金も必ず2級になる」わけではありません。

障害年金は、障害状態の審査の前に「初診日(請求する病気で初めて医師の診察を受けた日)」を特定し、初診日の前日において請求者が「保険料の納付要件」を満たしていなければ、どんなに障害の状態が重くても請求すらできません。

障害者手帳は「生活の支援」、障害年金は「経済的な支援」と目的が異なります。

「手帳があるから年金ももらえるはず」「手帳がないから年金は無理」と自己判断せず、まずは初診日を確認し、ご自身の年金記録を年金事務所や年金センターで確認してみましょう。


文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)
銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。
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