老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、障害年金を受給している人からの質問です。

■Q:障害年金(基礎・厚生)を受給中です。60歳になったら「障害老齢年金」をもらえるのでしょうか?
「今年10月に60歳になる男性です。離婚して一人暮らしです。精神疾患(双極性障害)で、月13万円の障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金)を受給しています。60歳になった場合、『障害老齢年金』をいただけるのでしょうか」(うさこさん)

■A:『障害老齢年金』という年金はありません。老齢年金は原則65歳から受給となり、65歳以降は障害年金と老齢年金のいずれか有利な方を選ぶ仕組みになります
まず、「障害老齢年金」という名称の年金制度はありません。老齢年金は、原則として65歳から受給します。60歳になったからといって、新たに老齢年金が支給されるわけではありません。

厚生年金の加入期間や生年月日によっては、65歳前に「特別支給の老齢厚生年金」を受け取れる人もいますが、昭和41年生まれの男性はその対象にはなりません。したがって、うさこさんが老齢年金を受け取れるのは原則どおり65歳からになります。


65歳になると、老齢年金の受給資格が発生します。その時点で、障害年金の受給資格がある人は、次のような受け取り方を選ぶことになります。

・老齢基礎年金+老齢厚生年金を受け取る
・障害基礎年金+障害厚生年金を受け取る
・老齢厚生年金+障害基礎年金を受け取る

「老齢基礎年金」と「障害基礎年金」は同時には受け取れません。また、「老齢厚生年金」と「障害厚生年金」も同時には受け取れません。

どの受け取り方が有利かは、老齢厚生年金の見込額や障害の等級によって異なります。年金事務所では試算してもらえますので、65歳が近づいたら事前に相談すると安心です。

今回のケースでは、60歳時点では受給内容は変わらず、65歳到達時に老齢年金との選択を検討する、という流れになります。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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