老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、障害年金を受給している人からの質問です。

■Q:障害年金を受給し、A型事業所で働いています。働けなくなった場合、64歳から年金を受け取れますか?
「昭和40年11月生まれです。難病のため、10年ほど前から障害年金をもらっています。現在は就労継続支援A型事業所で、週5日・1日4時間働いています。もし症状が進んで働くことが不可能になった場合、64歳から年金を受け取ることは可能なのでしょうか?」(Tさん)

■A:すでに障害年金を受給している場合、働けなくなっても障害の状態が続く限り、障害年金は原則として継続します。生年月日や性別、厚生年金の加入状況によっては、64歳から「特別支給の老齢厚生年金」の対象となる可能性がありますが、どちらかの年金を選択することになります
Tさんは現在、障害年金を受給しているとのことです。障害年金は、障害の状態が改善して等級に該当しなくなった場合などに支給が止まるもので、症状が進んで働けなくなったとしても、障害の状態が続いていると認められれば原則として継続して受け取れます。働けなくなったからといって、年金が自動的に別の種類に切り替わるわけではありません。

一方、老齢年金は原則65歳から受け取ります。ただし、厚生年金の加入期間が一定以上あり、生年月日や性別の条件に当てはまる場合は、65歳前に「特別支給の老齢厚生年金」を受け取れることがあります。
昭和40年11月生まれの場合、条件により64歳から対象となる可能性もあります。

ただし、障害年金と特別支給の老齢厚生年金を同時に満額で受け取ることはできず、原則としてどちらか有利な年金を選択することになります。どちらが有利かは、障害年金の等級や金額、厚生年金の加入記録によって変わります。

特別支給の老齢厚生年金の対象となる場合、受給開始年齢の誕生日の約3カ月前に、年金事務所から請求案内が届くのが一般的です。案内が届いたら、障害年金の受給額が多い場合でも放置せず、まずは請求の可否や選択の要否を年金事務所で確認すると安心です。年金事務所では試算もできますので、必要に応じて「どちらを選ぶべきか」を相談してみるとよいでしょう。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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