韓国大統領が逮捕されたニュースを目にする機会が多いと感じたことはありませんか。実際、韓国の歴代大統領の多くが退任後や在任中に罪に問われています。


汚職により国家指導者が裁かれるケースはめずらしくありませんが、韓国は世界的に見てもこの傾向が顕著です。

井沢元彦さんの著書『真・韓国の歴史 なぜ「反日」を捨てられないのか』では原因は「朱子学」にあると解説。本書より一部を抜粋し、韓国の背景に迫ります。

■なぜ大統領が退任すると罪に問われるのか
他の民主主義国家では絶対あり得ない韓国だけの特徴、それは大統領が代替わりするたびにほとんどが在職中の罪を暴かれて、有罪になったり自殺に追い込まれたりすることだ。

提示した一覧表をご覧いただきたい。この表以降の大統領もさまざまな事件で係争中だ。民主主義国家であっても、政情が不安定な国では、大統領が暗殺されることもないではないが、頻繁にこんな事件が起こるのは韓国以外にないだろう。これもすべて「朱子学の毒」のせいである。

こじつけでも何でもない。朱子学社会は「私」が「公」に常に優先する社会だから、たとえば公共工事の入札でも、父親から「お前の弟の会社に落札しろ」と言われれば、息子である大統領は断れない。「国王の父が、法律上死刑にあたる罪を犯したらどうしますか?」という質問に孟子がどう答えたか思い出していただきたい。

そこで大統領は任期中に必ずと言っていいほど、「ファミリー汚職」の罪を犯す。
だから次の大統領によってその罪を追及される。しかしその大統領だって「朱子学の毒」に冒された韓国人だから、結局同じことをやって、それを次の次の大統領に追及される。この繰り返しなのである。

ちなみに男尊女卑の伝統がある韓国で朴槿恵が大統領になれたのは、朴正煕元大統領の娘であることが一番大きいが、係累が少なくファミリー汚職の心配があまりなかったことも大きかったと、私は見ている。結局「姉のような」側近と金銭スキャンダルを起こしてしまったが。

■独善的な思想を持つ朱子学の悪影響
とにかく韓国の大統領選では「李朝の党争」のように、国益を無視してまで反対派をつぶすことに全力を注ぐ。これも朱子学の持つ独善的でヒステリックな感性の影響である。法律を尊重するという意識がないから、逆にそれを道具として利用して、自分の権力を固め敵を攻撃しようとする。李承晩もそうだったし、それについては朴正煕も全斗煥(チヨンドウフアン)も同じだ。

かつて「右派」は軍隊の力を使って、それを成し遂げようとした。「左派」はそうした軍事的支配に対する国民の不満を巧みに煽って「右派」よりは平和的手段で権力を固める道を選ぶ。

だが、法律は道具にしか過ぎないという意識は結局同じなので、権力を握ると、民主主義の根幹である三権分立をも無視して権力固めに走る。


それでも注目して欲しいのは、一時的には皇帝になることができたということだ。「バカにも権利を与える民主主義」よりも「真に優れた選ばれたエリートが愚かな民衆を指導する国家体制」が正しいという「朱子学の毒」に国民のほとんどが冒されていたからである。

井沢 元彦(いざわ・もとひこ)プロフィール
昭和29年、名古屋市生まれ。早大法学部卒。TBS入社後、報道局放送記者時代『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞受賞。その後退社し執筆活動に専念。歴史推理・ノンフィクションに独自の世界を開拓。
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