金利の上昇を背景に、安全性と利回りの両立を求める方が増えています。中でも注目されているのが、元本保証のある「個人向け国債」と「定期預金」です。
特に個人向け国債の中で一番人気なのが、金利上昇に合わせて利息の受取額も増える「変動10年」です。

今回は、個人向け国債「変動10年」とネット定期預金に50万円を預けた場合、1年後の利息はどのくらい違うのかを比較してみましょう。

■個人向け国債・変動10年を「金利1.4%」で50万円購入すると、1年後にもらえる利息はいくら?(2026年3月時点)
個人向け国債・変動10年(金利1.4%/年)を50万円購入した場合の1年後の利息の計算は以下の通りです。

なお、変動10年は、半年ごとに金利が見直されますが、今回は1年間、同じ金利水準だったと仮定して計算します。個人向け国債の利息は半年ごとに受け取ることができます。

・1年後の受取利息の総額:約7000円
・税引き後の受取利息:約5578円

受け取った利息からは、税率20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%と住民税5%)が差し引かれます。

参照:変動10年「第192回債」 財務省

■ネット銀行の定期預金に50万円預け入れたら、1年後にもらえる利息はいくら?
2026年3月時点で、高金利な定期預金として大光銀行 えちご大花火支店(インターネット支店)の「正三尺玉定期預金」を例に計算します。

▼高金利の定期預金例(2026年3月時点)【大光銀行 えちご大花火支店】
・商品名:正三尺玉定期預金
・金利:1.3%
・預入額:1万円以上100万円まで
・預入期間:1年(半年複利)

参照:大光銀行 えちご大花火支店「正三尺玉定期預金」

この定期預金に50万円を預け入れた場合、1年後に受け取れる利息は以下の通りです。

・税引き前の受取利息:約6521円
・税引き後の受取利息:約5197円

こちらも同様に、利息から税率20.315%が差し引かれます。

個人向け国債の変動10年と、インターネット支店の定期預金の利息だけを見れば、その差はわずか「381円」。どちらを選んでも「損をした、得をした」と一喜一憂するほどの大きな違いはありません。

■この2つは「今の時代」に合っているのか?
現在は金利が上昇傾向にあります。
そんな中で、この2つが今の時代に合っている理由は以下の2つです。

▼金利上昇の波に乗れるネット銀行の「1年満期」の定期預金は、預け入れ期間が短いため、満期のたびにより有利な金利へ乗り換えやすいのがメリットです。一方、個人向け国債(変動10年)も半年ごとに適用金利が世の中の動きに合わせて見直されます。

▼どちらも「今の高金利」を逃さない「もっと金利が上がってから預けよう」と待っている間、お金を普通預金に寝かせておくのはもったいないものです。この2つなら、今すぐ始めても、その後の金利上昇に柔軟に対応できます。

■結局、どう使い分ければいい?
どちらを選ぶかは、ご自身の「管理のしやすさ」を基準にしてよいでしょう。

▼「新しい口座を増やすのが苦ではない」ならその時々で一番高い金利を出しているネット銀行の「1年定期」を選び、満期が来るたびに有利な預け先へ移していくのも1つの手です。

▼「管理をシンプルにまとめたい」ならすでに証券口座などをお持ちであれば、個人向け国債(変動10年)を購入しておくのがスムーズです。一度買えば、自動的に世の中の金利水準に合わせて見直されます。

「どちらが劇的に得か」という正解探しに時間をかけるより、まずは「普通預金に入れっぱなしにせず、動かしやすい方に移しておく」こと。それが、物価高の時代に資産を守るための近道といえるでしょう。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。
人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。
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