■ハイオクガソリンの価格が200円台に
中東情勢の緊迫化を背景に原油価格が上昇しています。日本国内でもガソリン価格が高騰しており、筆者が3月中旬に訪れた栃木県内のガソリンスタンドではハイオクが1L201円となっていました。


原油価格の上昇はガソリンだけでなく、食品や日用品など幅広い商品の価格にも影響します。今後、生活必需品の値上がりが続く可能性もあります。政府による補助金制度の再開でいくらかは下がる予定ですが、ガソリン価格の高騰は地方生活を直撃します。

■ガソリン価格高騰の影響は大きい
ガソリン価格の上昇は、単に車を使う人だけの問題ではありません。物流コストの増加を通じて企業活動全体に影響を与えます。とりわけ食品や日用品など生活必需品は輸送頻度が高いため、原材料費やエネルギー費と合わせて価格上昇圧力がかかりやすい分野です。

これによって、消費者の生活防衛意識が強まり、より低価格の商品やまとめ買い、プライベートブランド(PB)商品への需要が高まる傾向にあります。

■消費の「行き先」が変わる
こうした環境下では、低価格商品を武器とするディスカウントストアや、PB商品を強化する小売企業、また大量仕入れによる価格競争力を持つ企業が相対的に恩恵を受けやすくなります。

生活コストの上昇は消費全体を抑制する側面がある一方で、消費の「行き先」を変える力も持っています。

では、こうした物価上昇の局面では、どのような企業が注目されるのでしょうか。

キーワードは「低価格」と「仕入れ力」です。つまりPB商品や大量仕入れで価格競争力を持つ企業に、消費者の支持が集まりやすくなります。
日用品価格の上昇は家計にとっては負担ですが、企業のビジネスモデル次第では新たな成長機会にもなり得る局面と言えるでしょう。

今回は注目の3銘柄を紹介します。

■大黒天物産<2791>
大黒天物産<2791>は、西日本を中心にディスカウントスーパー「ラ・ムー」「ディオ」を展開。低価格を徹底する経営で知られ、食品・日用品の価格訴求力が強みです。原材料価格や生活コストが上昇する局面では、低価格スーパーへの来店客数が増えやすいことから、業績にプラスに働く可能性があります。

■神戸物産<3038>
神戸物産<3038>は、「業務スーパー」を全国展開する食品ディスカウント企業。輸入食品や自社製造商品を低価格で提供するビジネスモデルを持ち、物価高の局面では一般消費者の利用が増える傾向にあります。まとめ買いや節約志向の高まりが追い風となる企業です。

■パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>は、「ドン・キホーテ」を展開するディスカウント小売大手。独自の仕入れ網やPB商品「情熱価格」による低価格戦略が特徴で、物価上昇局面では節約志向の消費者が流入しやすい傾向にあります。食品や日用品を幅広く扱うため、生活防衛消費の受け皿となりやすい企業です。

文:田代 昌之(金融文筆家)
新光証券(現みずほ証券)やシティバンクなどを経て金融情報会社に入社。
アナリスト業務やコンプライアンス業務、グループの暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事し、2024年よりフリー。ラジオNIKKEIでパーソナリティを務めている。
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