老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、年金を繰り上げ受給しながら再就職し、厚生年金に加入している人からの質問です。

■Q:63歳から年金を繰り上げ受給しています。再就職して加入した厚生年金保険料は、将来の年金額に上乗せされますか?
「1961年6月生まれです。年金を63歳から繰り上げ受給しています。2025年5月に退職し、2025年7月より再就職して厚生年金に加入し、現在に至ります。2026年6月末に今の会社を定年退職する予定です。年金受給開始から2026年6月までの厚生年金保険料加入分は、年金額に上乗せされますか。いつから反映されますか。また、定年退職後も今の会社でアルバイトとして働き、厚生年金に加入した場合、働き損にならず年金額は増えるのでしょうか」(hanaさん)

■A:再就職後に加入した厚生年金の分は上乗せ対象です。65歳以降も加入すれば、その分だけ年金額は増えていきます
hanaさんは63歳から年金を繰り上げ受給しているとのことです。65歳より24カ月早く受け取りを始めているため、老齢基礎年金は本来より9.6%減額されています。


なお、1961年6月生まれの人は、性別によって年金の整理が少し異なります。男性の場合は老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に繰り上げ受給した形になります。一方、女性の場合は62歳から特別支給の老齢厚生年金の対象となる可能性があるため、老齢基礎年金のみ繰り上げ受給している形になります。

そのうえで、再就職後に厚生年金に加入していた期間については、将来の年金額に反映されます。今回のケースでは、2025年7月から2026年6月まで厚生年金に加入しているため、その分は今後の老齢厚生年金額に上乗せされることになります。

また、ご相談者は2026年6月に65歳となり退職予定とのことですので、この時点で年金額の再計算が行われ、再就職後に加入した厚生年金の分も反映されることになります。

また、65歳以降もアルバイトなどで働き、一定の条件を満たして厚生年金に加入すれば、その期間分も年金額は増えていきます。65歳以降に加入した厚生年金の分は、毎年9月1日を基準日として、その前年9月からその年8月までの加入実績が10月分の年金額に反映されます。実際に増額後の年金を受け取るのは、12月の年金支給時です。

そのため、65歳以降も厚生年金に加入して働けば、保険料負担はあるものの、その分は将来の年金額にきちんと反映されます。どの程度増えるかは給与額や加入期間によって異なりますが、厚生年金に加入して働くことが必ずしも「働き損」になるわけではありません。体力面や働き方とのバランスを見ながら判断するとよいでしょう。


文:酒井 富士子(経済ジャーナリスト)
「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長歴任後、リクルートに転職し、定年あるじゃん、あるじゃん投資BOOK等の立ち上げ・編集に関わる。2006年にお金専門の制作プロダクション「回遊舎」を創業。「ポイ活」の専門家としても情報発信を行う。
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