■Q. 「クルミを食べると命に関わることがある」って本当ですか?
Q. 「ナッツアレルギーといえばピーナッツという印象があるのですが、最近はクルミによるアレルギーも増えていると聞きました。クルミはあまり危険そうなイメージがありませんが、命に関わるほど重い症状が出ることは実際にあるのでしょうか? ピーナッツアレルギーがなければ食べても大丈夫ですか?」

■A. クルミとピーナッツは別物ですが、どちらも命に関わることがあります
ナッツアレルギーというとピーナッツ(落花生)を連想される方も多いようですが、ピーナッツと、クルミ、カシューナッツ、アーモンド、マカダミアナッツなどは別物です。
ピーナッツは豆類であり、クルミなどは木の実類です。そして近年はクルミによるアレルギーが急増しており、非常に危険視されています。

クルミを食べて命に関わる重篤な症状が起こる可能性は実際にありますので、十分な注意が必要です。

アレルギー専門家の調査でも、ナッツ類のアレルギーは過去15年間で約7倍に増加していると報告されています。そして「ナッツ類の内訳」で、増加が突出しているのがクルミとカシューナッツです。別の調査でも、アレルギー原因全体の15.2%をクルミが占めると報告されています。

さらにクルミは、アレルギーを発症すると短時間で全身に症状が広がり、血圧低下・意識障害を伴う「アナフィラキシーショック」という重篤な症状を引き起こす原因の上位に入っており、命に直結する重篤な状態に陥る割合が、他の食品に比べて高いのが特徴です。

注意が必要なポイントは以下の通りですので、ぜひ覚えておいてください。

・微量でも発症する:菓子類やパンの隠し味、ドレッシングなどに含まれるわずかな量でも、重い症状が出ることがあります
・交差反応:クルミにアレルギーがある場合、同じクルミ科である「ペカンナッツ(ピーカンナッツ)」でもアレルギー反応を起こす可能性が非常に高いです
・加工品の表示:クルミは現在、加工食品への「特定原材料」として表示が義務化されています。購入時には必ず原材料ラベルを確認する習慣をつけましょう

「ピーナッツアレルギーではないから」「風味付け程度の量だから」と軽く考えてはいけません。もしナッツ類を食べた後に蕁麻疹(じんましん)や口内のイガイガ感などの疑わしい症状がある場合は、早めに専門医を受診しましょう。正しい知識を持って、適切に対処することが大切です。


▼秋谷 進プロフィール小児神経学・児童精神科を専門とする小児科医・救急救命士。プライベートでは4児の父。子どもの心と脳に寄り添う豊富な臨床経験を活かし、幅広い医療情報を発信中。
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