物価高、中東情勢の揺れ動きなどで経済が大きく変化し続ける中、少しでも家計を守ろうと「節約」をしている人は少なくないでしょう。ただ、支出をうまく抑えられる人もいれば、かえって出費が増えてしまった人もいるようです……。


今回はAll About編集部が実施した節約に関するアンケートから、大阪府に住む39歳女性の失敗談を紹介しながら、節約する時の注意点・ポイントについて、ファイナンシャルプランナーで社会保険労務士の井戸美枝さんが解説します。

■回答者のプロフィール
【大阪府在住39歳女性世帯、収入状況と1カ月の主な出費内訳】
・家族構成:既婚(子なし)
・雇用形態:パート・アルバイト
・職業:事務員
・世帯年収:600万円
・貯蓄額:約400万円(夫婦それぞれで管理しているためおおよその額)
・家賃(住宅ローン):12万円
・間取り:2LDK
・食費:3万円
・交際費:2万円
・電気代:8000円
・ガス代:4000円
・水道代:3000円
・通信費:3000円
・毎月貯蓄に回している額:5万円

■「なんか虚しくなった」
今回紹介する大阪府在住39歳女性は、家具の手作りで思わぬ損をしてしまいました。部屋の中を整理したいと思っていた女性は、ホームセンターで買うより100円均一ショップで買った材料で一から組み立てる方が安く抑えられると考えて、ネットで見つけた動画を参考に棚をDIYすることにしました。しかし、結果は思うようにいかず……。

「動画を見ながら工夫して作ったけど、結局いろいろ材料を買ったから、総額で見たら出来合いの棚をホームセンターで買えばよかった」

女性はこの経験を「100円均一もすべての商品が一律100円ではないし、時間かけて作ったりした手間とかも考えると失敗かな」と振り返ります。

そして、手作りしたからこその気付きと学びを得ました。

「やっぱり手作りは脆い。底が抜けたりして修繕するのは簡単だけど、何度もしていると結局しっかりした物を買ったほうがよかったし、手間が増えた。素人が思い付きで動画を見て作って、なんか虚しくなった。ニトリなどである程度出来上がっている物を組み立てるほうがはるかにいいし、そのまま使用できる物を買ったほうがいい。しっかりした物を使うほうが物持ちもいいし、結局節約になる」

■お金だけではない「見えないコスト」の存在
井戸:今回のエピソードは、いわゆる「見えないコスト」に気付かされた好例だと感じます。かかったお金だけでなく、作業にかかる時間や手間まで含めて考えないと、結果的に割高になることもありますよね。
回答者が冷静に振り返れている点は、今後の家計管理にとって大きな強みになるでしょう。

家具を手作りする際は、材料費に加えて、工具の有無、作業時間、耐久性まで事前に見積もることが重要です。特に高い耐荷重性能や安全性が求められる家具は、想像以上に技術差が出やすく、ゆくゆく修繕が必要になるかもしれません。

判断に迷ったときは、「長く使うか」「安全性が必要か」「作る過程自体に価値を感じるか」の3点で整理してみてください。日常的に使う家具は既製品、趣味性の高いものはDIYと分けるのが現実的です。購入時には、価格だけでなく耐久年数で割った“1年当たりのコスト”で考えると、よい選択がしやすくなります。

もちろん、経済的な合理性だけを追い求める必要はありません。自分で作りたいと思って手掛けた家具が割高だったとしても、その経験自体に十分な価値があります。

【井戸美枝プロフィール】
ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士。関西と東京に事務所を持つ、CFP・社会保険労務士。経済エッセイストとしても活動し、生活に身近な経済問題をはじめ、年金・社会保障問題を専門とする。講演や執筆、テレビ、ラジオなどにも多数出演。
All About マネープラン・もらえるお金ガイド。

<調査概要>
節約の経験談に関するアンケート
調査方法:インターネットアンケート
調査実施日:2026年3月11日
調査対象:全国10~70代の250人(男性:57人、女性:190人、回答しない:3人)

※回答者のコメントは原文のまま記載しています。
※本記事の出費内訳はアンケートの回答に基づいた「主な項目」のみを記載しています。回答に含まれない社会保険料や税金、民間の保険料、不定期な支出、使途不明金などは考慮されていないため、収支合計が一致しない場合があります。
※本記事で紹介している人物のプロフィールや数値などは、プライバシー保護のため編集部で一部改変している場合があります。
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