2026年4月度から始まる「子ども・子育て支援金」。児童手当の拡充など子育て支援策の財源に充てられるものです。
子どもの有無にかかわらず全世代が支援金を負担しますが、独身者や子どものいない世帯にとっては直接的な恩恵が感じられにくいとして、SNSなどでは「独身税」とも呼ばれ、批判的な投稿も見られます。

今回は子ども・子育て支援金の素朴な疑問について、All About 株式・ファイナンシャルプランナー ガイドの伊藤亮太がさくっと分かりやすく解説します。

■Q. SNSなどでよく見る「独身税」って何ですか?
子ども・子育て支援金とは、すでに行われている児童手当の拡充や育休給付の手取り10割相当への拡充のほか、0歳6カ月~2歳の保育所などに通っていない子どもを対象とする「こども誰でも通園制度」の拡充のために、利用される支援金です。

ちまたでは「独身税」と呼ばれていることもあるものの、実際には独身者のみが負担するわけではありません。現役世代だけではなく高齢者も含めて2026年4月分から医療保険料とあわせて子ども・子育て支援金に相当する保険料の負担が求められます。

■Q. 年収400万円の場合、月々支払う金額はいくら?
ボーナスがあるかないかによって月々支払う金額は異なってきます。単純計算でいえば、月額負担は年収400万円×0.23%×1/12=766円程度となります(ボーナスがないと仮定した場合)。より細かい具体的な計算は標準報酬月額や標準賞与額がいくらになるかによって計算が可能です。

なお、実際には企業負担が半分ありますので、先ほどの766円程度の場合は、月額383円程度を被用者保険加入者(例:会社員)が負担することになります。

■Q. 独身者や子どものいない世帯、高齢者にはどんな恩恵がある?
一見、独身者や子どものいない世帯などでは負担が生じるだけと思われがちです。しかし、支援金を受ける次世代を担う子どもたちが成長することで、その後の日本の社会保障制度の担い手となっていきます。

現在の現役世代が将来高齢者となった時に社会を支える若い世代がいることで、社会保障制度は維持ができます。
支え手を増やす意味からいえば、長い目で見て独身の人や子どものいない世帯、高齢者にもメリットは生じます。

また、子ども・子育て支援金により負担が増えるように思えるものの、実際には社会保障の歳出改革などで社会保険負担軽減を行い、実質的に負担が増加しない設計とされています。そのため、「木を見て森を見ず」といった状況で考えないことが大切です。

<参考>
こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」

▼伊藤 亮太プロフィール慶應義塾大学大学院商学研究科修了。一般社団法人資産運用総合研究所代表理事。ファイナンシャルプランナーとして、家計・保険等の相談、執筆、講演、大学講師を主軸に活動。大学院時代の専門は社会保障で、経済・金融に関する解説も得意。コイン収集マニアの一面も。
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