年下が上司、女性が上司など、今までの通例とは違う環境に置かれたとき、人は「気を遣い過ぎ」たりぎこちなくなったりする。「年上には遠慮すべき」という、ある種の日本の美徳が、ビジネスの場で逆効果になることもありそうだ。
■サバサバした女性上司で雰囲気がよくなった
2年前に、直属上司が年下の女性となったツヨシさん(42歳)。彼女が5歳も年下だったこと、女性であったことなどから最初は互いに遠慮があったという。
「ただ、彼女のキャラクターが明るくてあっけらかんとしていて、なおかつサバサバしているので助かりました。彼女は5人いる僕たち部下一人ひとりと面接、なおかつ全員で懇親会を開いた。遠慮しないで互いに言いたいことを言うのが、『私の悲願です!』とかなり自分をさらけ出していましたね。それで僕らもなんとなく、チーム一丸で頑張ろうという気になった」
部内はいつもオープンだ。彼女自身が勘違いしているときは部下からツッコミが入るし、部下がミスをしたときはさりげなく「私の指示があやふやだったんだと思います。申し訳ない」とかばってくれる。
「性別や年齢にかかわらず、上司に向くタイプとそうでないタイプがいるんだとよく分かりました。僕の20年の仕事人生で、今が一番やりやすいですから」
■以前の上司だったら頑張らなかったかも
チームの雰囲気は和気あいあいとしているが、ときには仕事上、厳しい局面に立たされることもある。
「仕事の問題は僕らの問題。あなた一人が闘うのはおかしいとみんなで詰め寄りました。正直言って、以前の上司だったら勝手にやってくれと思ったかもしれない。でも今の上司だから、みんなで頑張ろうという気になった」
昨年、新入社員が入ってきたのだが、最初は「人間関係の近さに引いている」ように見えたそうだ。だが、夏頃にはすっかりなじみ、今ではむしろ一番のムードメーカーになっている。
「人間関係が近いようで、そうでもないのがうちのチーム。上司はプライバシーにはいっさい口をはさまないし、こちらが言わない限り『休暇はどうしてた?』などとも言わない。こちらが言えば、みんなが食いついてくるけど。心をどのくらい開くかは各人に任されている。ただ、仕事では隠し事をしない、懸念も含めて正直に報連相というのはチーム内で共有されています」
働きやすい職場はストレスがたまらない、とツヨシさんは明るく言った。
■年上部下のやりづらさ
一方の年下上司からみると、やはり年上部下とはコミュニケーションが取りづらい面もあるようだ。
「僕より二回りほど年上の部下がいるんですが、年齢差だけではなく、もともとコミュニケーションのとりづらい人なんですよ。いまだにパソコンをうまく使いこなせないし、若い社員が何度教えても覚えようとしない。そこが一番ネックですね。やる気があるならみんなで応援しますが、やる気があるようには見えないから」
トシオさん(33歳)はそう言う。他の年上部下とはあまり問題がないのだが、この人とだけはうまくいかないとため息をつく。
「一度、『あんたみたいな若造と仕事をする気にはなれないんだよ』と言われました。年齢は関係ない、一緒に仕事をしましょうよと言いましたが、それきりやる気を失ったようです。もともとはキレ者の営業マンだったそうですが、50代であんなに気持ちが衰えるものなんですかねえ。僕の評判を悪くして追い出そうとしているんじゃないかと疑ったこともありますが。本心を聞けないのでどうしたらいいか分かりません。もちろん、僕の上司にはそのあたりも伝えたから、いずれ人事で対処してくれることにはなっていますが」
■今の時代になじもうとしない古参社員
それでも日々、気が重いとトシオさんは苦笑する。
「職場は仕事をするところなので、そういう細かいことに囚われているのは意味がないと思うんですが、彼は理解してくれませんね。彼が入ったころはアットホームな小規模企業だったんですが、ここ数十年で中規模に拡大した。それについていけなかったのが彼のような古参の社員。いろいろ知っているのだから僕らのお手本になってほしいけど、今の時代の仕事の仕方になじもうとしないので、こちらもつらいんです」
いくつになっても進化しようという意識をもち、自分自身も努力していかなければ、あっさり切り捨てられる時代が来ているのかもしれない。
<参考>
・「年上の部下へのマネジメントに関する意識調査」(サイボウズチームワーク総研)









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