老後にこの3つの不安が重なることに、漠然とした恐れを感じている方は少なくありません。
「老後貧乏」の本質は、単にお金の問題だけではありません。現役時代の過ごし方や、お金との向き合い方が、その後の生活に影響しているケースもあります。
今回は、こうした「心のあり方」が引き起こす孤独と困窮の関係について整理し、無理のない日常を保つための考え方を見ていきます。
■「お金を払って楽しむ」習慣が老後に影響する理由
現役時代の過ごし方や、お金との向き合い方は、老後の暮らし方にも少なからず影響します。特に、日々の楽しみが「お金を使うこと」と強く結びついている場合は注意が必要です。
例えば、なんとなくの食べ歩きやショッピング、気の合う仲間との飲み会など、支出を伴うことで気分転換をしてきた方も多いでしょう。こうした時間自体は決して悪いものではありませんが、「お金を使うこと=楽しみ」という習慣が中心になっていると、収入が限られる老後には同じ過ごし方を続けにくくなります。
その結果、「お金を使わないと楽しめない」「外に出るきっかけがない」と感じやすくなり、行動範囲や人との関わりが狭まってしまうこともあります。こうした変化が、孤独や不安を強める一因になる場合もあるのです。
老後を穏やかに過ごすためには、お金を使う楽しみだけでなく、日常の中で無理なく続けられる時間の使い方を持っておくことが大切です。
■「孤独」が支出を増やしてしまうとき
孤独は、気付かないうちにお金の使い方にも影響を与えることがあります。
寂しさを埋めるために、本来は必要のないサービスや買い物に頼ってしまうケースは、決して珍しくありません。
例えば、ある美容院での話です。
そのお店には、毎月欠かさずパーマをかけに来る年配の方がいたそうです。ただ、髪や頭皮の状態を考えると、毎月の施術は本来必要のないもの。美容師が別の提案をしたところ、「話し相手がほしいから来ている」と打ち明けられたといいます。
このように、「サービスの対価」としてお金を払っているように見えて、実際には「人とのつながり」や「会話の時間」を求めているケースもあります。もちろん、それ自体が悪いわけではありません。
ただ、本来は別の形でも満たせるものを、支出で補い続けてしまうと、結果としてお金も減りやすくなります。こうした状態が続くと、さらに行動の選択肢が狭まり、孤独と支出が重なる悪循環につながる可能性もあります。
だからこそ、日常の中で無理なく人と関われる環境や、お金を使わずに過ごせる時間を持っておくことが、長い目で見た安心につながります。
■無理なく続けられる「日常の楽しみ」を持つ
老後を穏やかに過ごしている人に共通しているのは、特別なことではなく、日常の中に楽しみを持っている点です。
例えば、近所を散歩しながら季節の変化を感じることや、図書館で興味のある本を読むこと。
こうした過ごし方は、お金や特別な環境がなくても続けやすく、生活のリズムも整いやすいのが特徴です。また、「何をしていると心地よいか」が分かっていると、無理に外に楽しみを求める必要もなくなります。
反対に、以前と同じような生活水準や楽しみ方にこだわりすぎると、負担を感じやすくなることもあります。今の状況に合わせて、無理なく続けられる過ごし方を持っておくことが、安心して日々を過ごすための土台になるでしょう。
文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。
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