■不公平感は否めない
独身者だけを対象としたものではないのだが、子どものいない人や未婚者からも徴収するため、不公平感は否めないのだろう。いったい、どのくらい引かれるのかというと健保によっても違うようだが、目安として年収400万の人で月額400円程度、600万の人で月額600円前後となっている。
いったい、こうやって徴収したお金で何をするつもりなのかというと、「子ども、および子育て支援」であり、結局は子どもがいる人にばらまくシステムで、今までと大差ない。当然、効果は認められないだろうと推測される。
そもそも、少子化対策を本格的に開始したのは1990年代に入ってからだ。これは1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す「合計特殊出生率」が、89年に1.57となったことから始まった。当時は「1.57ショック」と呼ばれて話題になった。その後もバブル崩壊後の不況の影響を強く受け、出生率の低下は止まらない。1993年には1.5を割る低い出生率を記録、ついに本格的な少子化社会に突入した。
■晩婚化が進む現状では……
そして、2024年の人口動態統計によれば、合計特殊出生率は1.15である。この30数年間、国は何をやってきたのだろうと素人でさえ首をかしげざるを得ない。そこへもってきての支援金制度である。
日本の女性が第一子を出産する平均年齢は上昇傾向にあり、2024年は31.0歳となっている。これは晩婚化が主な要因とされており、30代半ばで第一子という人も少なくない。そうなれば第二子はなかなか産めない。
「1人も子どもがいない人に1人目を産んでもらうより、1人いる人に2人目を産んでもらう方が早い」という声もかつてあった。だが、晩婚化が進んで女性が仕事を手放さなくなると、2人目も絵に描いた餅のようなもの。今を生きている女性たち(男性も)には、響かない政策なのだ。
■そもそも経済的に苦しくて結婚できない
若者たちの間でも貧富の差は激しくなっている。投資などで数千万円を担保している20代もいるが、一方で住む家すら確保できない20代もいる。何かで失敗したら、もう這い上がることができなくなっている状況は一向に改善されていない。
「結婚して子どもがいる人生を、すでに想像できなくなっています」
非正規で働くカツジさん(35歳)はそう言った。一時は漫画喫茶をさまよったこともあるが、今はアパート暮らしができているだけでありがたい。だが、結婚はおろか、デートする費用を捻出するのも大変な状況。それでも彼女がいたこともあった。
「だけど彼女も非正規だったから、2人して先の希望がもてなかった。ちゃんと正社員の男と結婚した方がいいよと言って別れました。今は職場での正社員を目指して勉強しているところです。うまくいけば人並みの生活は送れるようになる。それでも結婚するゆとりが生まれるかどうかは別ですけどね」
若者たちの価値観として、結婚はすでに上位にはないのかもしれない。彼らには彼らの価値観がある。行政が婚活を推進しても、なかなか受け入れてはもらえないだろう。
■結婚したいけど、いざとなると二の足を踏んでしまう
「子どもはほしいです。
マイさん(32歳)は語気荒くそう話す。物価の高騰に合わせて収入が上がっていかないから、生活は苦しくなるばかり。しかも結婚したところで、2人の給料を合わせても東京都内にマンション1つ買えないのが現実だ。
「結局、社会のシステムがおかしいんじゃないでしょうか。だから出産だってしたくなくなる。私もそうだけど、私の周りの未婚女性たちも、『先に希望がもてない』と言ってるんですよ。こういう声が政治に届けばいいんですが、届いているとは思えなくて」
世の中には節約術ばかりがあふれ、マイさんもリユースの服を買うようになった。
大きく社会の根本を変えない限り、少子化は止まらない。そして社会保険料という名の増税が、さらにわれわれを苦しめ、ますます少子化になるという負のサイクルから抜けられないのではないだろうか。
<参考>
・「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)の概況」(厚生労働省)









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